しばらく働きたくない。
新しい分野で再就職したいけど、自費で学ぶにはちょっと…
実際に職業訓練を2度経験し、2年間失業手当をもらい続けた私が具体的な方法、手順について解説します。
目次
職業訓練とは?
職業訓練とは国が行っているセーフティネット。
就職困難者が職業訓練を受けることによって、再就職ができるように支援をする。
一般と障害者でそれぞれ訓練がある。
専門的な知識や技能が学べて、6ヶ月以上のコースでは、ほとんどのコースで資格が取得ができるようになっている。
職業訓練には主に2種類あり。
公的職業訓練
国や県などが、直接運営する職業訓練校で行う訓練。
2つに分けられる。
①公共職業訓練:雇用保険加入者、未加入者いずれも対象。
期間2ヶ月〜2年。
②求職者支援訓練:雇用保険未加入者が対象。
期間は2〜6ヶ月と短い。
6ヶ月位以上のコースがある公共職業訓練を選んだ方がメリットが多い。
厚生労働省引用
委託訓練
国や県などから委託された民間の専門学校で行う訓練。
公共職業訓練に比べ職種のジャンルが多い。
3ヶ月〜最長で2年コースがある。
コースごとの期間例
3ヶ月 PC基本スキル、簿記、事務、介護(初任者研修)
6ヶ月 プログラミング、建築、造園、ビル管理
1年 溶接、機械、自動車
2年 介護福祉士、保育士、調理師、パテシエ
全国の公共訓練一覧はこちらのリンク
委託訓練については都道府県ごとのハローワークから調べられます。
選考試験は1〜2月頃。
年越し前に早めに準備することをオススメする。
職業訓練(公共職業訓練、委託訓練)で貰える手当とは?
- 基本手当(失業手当)
- 受講手当(最大40日間(1日500円)で2万円)
- 通所手当(訓練校までの交通費)
訓練が無い、土、日曜、祝日も支給される。
職業訓練を受ける条件
- ハローワークに求職の申し込みをしている
- 受講開始日からさかのぼって、過去1年間以内に公共職業訓練、求職者支援訓練の実践コースを受講していない
- 雇用保険未加入、失業手当てをもらっていなくてもOK
メリット
働かなくても生活できる!(360万円得)
毎月15万円支給されると考えて、2年間トータルで360万も手に入る!
足りない人は、アルバイトで働くこともできます。
ただしその分減額されるので注意!
自由時間がいっぱいある
授業スケジュールは、大体のところは、平日月曜日から金曜日までで土日、祝日は休み。
公共訓練の場合は、お役所、公立学校と全く同じスケジュール。
授業時間は朝9時頃から長くても17時前まで。
学校によっては午前中で終わったり、15時頃終わるところもあり。
さらにゴールデンウィーク、お盆、年末年始、春休みと長期休暇もあり。
もちろんその間も基本手当は満額もらえます。
私が通った介護の専門学校は1年目9時から14時半まで。
2年目は週の半分以上が午前中で終わり。
というめっちゃ楽なとこでした。
無料で学べる!(200万円得)
委託訓練で2年間専門学校に通った場合の費用は?
実際に私が通った介護の専門学校の場合トータル約200万円。
それが全て無料。
ただし、教材費(2年分で6万円ほど)、国家試験の受験代(15,300円)だけは自己負担です。
さらに手当は全て非課税。
他に収入がなければ2年目の住民税、健康保険料は格安になる。
前年の所得での計算となるため。
学割が使える
1年以上の通学なら学割が使えます。
学生証は公共訓練生でも、委託訓練生でも発行してもらえます。
学割が効くもの(私が使ったもの)
- 定期券(学校⇄自宅)、長距離旅行時のJR運賃、高速バスの運賃
- 映画、美術館などの入館料
- Appleストア、Adobeソフトなどの学生割引
- 脱毛サロン(リゼ・メンズリゼ 限定)で20%割引
- amazon prime年会費が4,900円→2,450円になる
引越しすると手当がもらえる
移転費
自宅から学校まで公共交通期間を使って4時間以上かかる場合に引越した場合に支給される。
別途ハローワークへ申請が必要。
親族有り➡︎76,000〜95,000円
単身➡︎38,000〜47,500円
広域求職活動費
ハローワークの紹介で求人面接を遠隔地で行った場合に支給される。
雇用保険受給のハローワークと訪問する求人事業所の所在地を管轄するハローワークの間の距離が200キロ以上の場合に限られる。
支給されるのは鉄道賃、船賃、航空賃、車賃と、宿泊料。
学生生活が楽しい
社会人が長く続け、学校を卒業して数十年ぶりの学生は全てが新鮮。
クラスの年齢層はコースによって様々です。
私が経験した公共訓練の造園コースでは50代、60代が多かった。
委託訓練の介護コースでは普段あまり関わらない10代の子から50、60代の人、外国人(ベトナム、インドネシア、韓国など)とも知り合えました。
学園祭、運動会、介護展示会見学など、とても楽しいイベントが満載でした。
たまに飲み会行ったり。
今でも良い思い出です。
デメリット
欠席が多いと退学されられる
出席率8割以下は強制退学となります。
欠席した場合、受講手当はもちろん支給されません。
遅刻、早退は3回で1欠席の扱い。(委託訓練の場合)
- 本人の病気、怪我(当日の日付け入りで病院の領収書が必要)
- 3等身以内親族の危篤見舞い、冠婚葬祭
- 公共交通機関の遅延(遅延証明書要)、不通
- 就職活動(所定の証明書要)、訓練に関連した資格試験
テスト、資格勉強が意外としんどい
勉強嫌いの人には不向きです。
大体の学校で定期的に試験があります。
実技試験、学科試験両方あると考えて良いです。
介護コースでは移乗、衣服の着脱、シーツ交換などやりました。
学科試験は前期1回、後期1回あって、他にも小テストを定期的実施。
そして2年めの冬1月末には介護福祉士の国家試験があります。
その準備のため秋頃から就職活動と並行して試験勉強もやってました。
私のような40代のおっさんにとって、正直暗記ものは厳しかったです。
一夜漬けができず脳の衰えをみをもって感じました。
勉強が嫌いな方は、授業について行けそうなコースを選んだ方がいいです。
介護福祉士については、私が通った学校では約9割が1度で合格。
なんだかんだ勉強すれば合格するレベルなので安心してください。
逆に造園コースでは学科テストは1度だけで超簡単。
代わりに時実技コースが難しく、体力も使います。
夏場に日中の外作業が辛かったのを覚えています。
就職へのプレッシャーをかけられる
特に、公共職業訓練は就職への圧力が強いです。
コース終了間際まで決まらないと、呼び出しをくらったり、毎週就職活動のレポート提出があります。
職業訓練自体が正社員での就職が目的のため、致し方ないですが…
訓練の入学試験での面接でも、志望動機として正社員での就職が目的と言わないと合格できないこともあるようですし。
教材費、資格受験料は自己負担
教科書などの教材費、エプロン・制服代、資格受験料など一部費用は自腹です。
パテシエ・調理師養成コースでは2年間で20万円ほど。
IT技術者養成コースでは2年28万円。
長期コースほど自己負担額は上がる傾向なので、受験前に確認しておいた方が良い。
職業訓練を始めるまでの手順(2年コース)
一番遅い退職時期としては3月末。
その場合、通常の支給待機期間3ヶ月が、特例として解除され、4月の訓練開始日から失業手当が開始される。
その場合のメリットは2つ。
- 万一試験に落ちたら退職時期を伸ばせる。
- 万一試験に落ちたら、そのまま退職しても5月以降の募集に再チャレンジできる。
すぐに辞めたい人、退職済みの人で資金に余裕のあるなら早くやめて、ハローワークへの失業・求職手続きを遅らせる方法もあり。
退職後1年以内なら失業・求職手続きができます。
失業手当を最大限もらいたいからといって、4月1日までに失業手当受給期間を2/3ギリギリに調整するのは、リスクが高いので辞めておきましょう。
その方法で失敗しそうな場合は、裏技としてアルバイトをすればその日はカウントされないので、若干の日数なら失業手当受給期間を延長できます。
まとめ
基本タダで失業手当がもらえて、資格が取れるなんてやらなきゃ損!
3ヶ月コースならPC知識や簿記などあって損のないコースもあるので気軽に活用しよう。
2年コースは期間が長いので、情報収集、説明会に参加して、あとで後悔、挫折しないよう自分にあったコースを選んでください。