
【日本に希望はある!】
大学教授、ヤフーCSO・安宅和人が、『シン・ニホン』と題して、
AI×ビッグデータ化が進む現在、取り残された日本、そして個人が、これからどう再生していけばよいのか?について解説する1冊。
書籍の紹介文
国際競争力の低下が続く日本。
日本の未来に希望はないのでしょうか?
あなたはどのように思いますか?
本書は、現状の日本の問題点を指摘し、未来への展望について解説する一冊。
未来はどう変わるのか?その未来にどう対処するのか?その方法をまとめたのが、本書です。
AI、ビッグデータについて正しい知識が学べます。
未来に必要なスキル、そのスキルの身に付け方がわかります。
【要約】15個の抜粋ポイント
✔️狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会と発展してきた人類が、今起きているデジタル革新の力と我々の妄想力をかけ合わせた向こうに未来、(価値)創造社会があるというのがSociety5.0の掲げる絵だ。
✔️「事業成長の7割以上が単一のファクター、市場によって説明できる」というものだったのだ。つまりどれほど優れた戦略があろうと、どれほど偉大なリーダーがいようと、そしてどれほど素晴らしい実行力があろうと、市場を間違えるとどうしようもないということだ。時代に逆行したことをすればどんな偉大な企業も沈んでしまうのだ。 逆に言えば、時代の潮流に乗ったことをやればほぼ確実に成長できる。
✔️日本の本来の勝ち筋は次の4つにまとめられる。
すべてをご破算にして明るくやり直す
圧倒的なスピードで追いつき一気に変える
若い人を信じ、託し、応援する
不揃いな木を組み、強いものを作る
✔️人生でもビジネスでも直接的な競争はできるだけ避けるのが正しい。実質的な無競争空間を生み出せるかどうかが、幸せへのカギだ。競争から解き放たれたとき、人も事業も自由になれる。
✔️仕事とは他の人に評価される価値を生むことであり、その人の存在意義の視点で見れば、価値が生み出せることは好きか嫌いかよりも遥かに大切だからだ。
✔️チャームこそが生きていく上において大切なものであることは、幼少期から育てられる側も、育てる側も認識すべきだ。チャームを身につけるとはどういうことかをそれぞれが考える、工夫する、素敵な人を称える、などをどんどんとやる。
✔️あるレベルを超えると、知識の増大はアイデアや気づきの増大に必ずしもつながらずむしろ負に働く。この集め過ぎ、知り過ぎが起きていない段階の比較的若い人から新しいアイデアが生まれ、そこから未来が創られるのは半ば必然と言える。
✔️この自分なりの「知覚」を鍛えるためには2つのマインドセットが重要だ。1つはハンズオン、ファーストハンドの経験を大切にすることだ。もう1つのマインドセットは、言葉、数値になっていない世界が大半であることを受け入れることだ。
✔️計算機のように隙間なく微細な文言や差を覚えるよりも、このように生々しい質感を感じられる領域、大局的に理解できる領域、自分なりの言葉や表現にすることができる領域を増やすことが大切だということだ。
✔️これからの時代の基礎教養(「ベースリテラシー」)は、①母国語、世界語でモノを考え、人とやり取りする力であり、②課題を設定し解決する力に加え、③データ×AIの力を解き放つ基礎能力のことだ。
✔️仕事 = 力 × 距離だ。単なる努力、試み自体には意味がなく自己満足、浪費に過ぎない。生み出す変化がなければゼロ、完遂されない仕事は意味の持ちようがないということだ。
「力」の大きさは「質量 × 加速度」で計算できる。すなわち生み出す仕事の大きさは、「どれだけ大きな存在に対して、どれだけ勢いよく、どれだけの変化(距離)を引き起こしたか」だ。
✔️日本が20世紀後半同様に世界を変える先導者に再びなり続けたいと思うのならば、なるべくどのような領域においても(基礎科学だけでなく)最初期にツバを付けておくのが得策だ。国全体としてもベンチャーキャピタルと同様のポートフォリオ的な発想が大切になる。成功したものやすでに成功が見えているものに突っこむことがほとんどの「選択と集中」の真逆をやる必要があるということだ。
✔️生産年齢の定義を変えることはこの社会にとって大きな正義だと言える。現在、日本では15歳以上65歳未満だが、実際には20歳以上90歳未満ぐらいにすべきなのではないだろうか。
別に週5日、日に7時間も働く必要はない。週1日あるいは1日1〜2時間働ければそれでもいい。そして細切れで3つも4つもの仕事をやってもいいはずだ。時間を売る時代は終わり、アウトプットが仕事の成果になる時代になる。僕らは時間に縛られることはなくなり、自由になる。
✔️人間の「数」が経済的に優位になるのは、正直なところAIを作るときの学習データ獲得と消費人口ぐらいしかない時代に突入している。つまり経済的な理由で人口減が大きな問題だという議論は、正しく現実を見れば、もはや筋違いである可能性が高い。
✔️このままのトレンドが続けば、都市型の未来しか選択肢はなくなり、都市がコモディティ化することはほぼ確実だ。
今僕らに問われているのは、むしろスマートで豊かなカントリー的空間を作れるかどうかだ。 単なる荒れ地でもジャングルでもなく、人が自然と融和できる豊かな空間を持てるかどうかが、大きな価値を持つ時代がきっと来る。このような土地が生まれれば、近郊の都市にとっても、また国というコミュニティ全体にとっても、大きな意味を持つはずだ。
【実践】3個の行動ポイント
✔️自分なりの言葉や表現する機会を増やす(twitter、blog、youtube)
✔️時代の潮流に乗り(YouTube、スマホ)ニッチを狙う
✔️ハンズオン、ファーストタッチの経験を増やす
ひと言まとめ
日本も、私たちも伸びしろだらけ。プラス思考で!
書籍情報
【書籍名】シン・ニホン
【著者名】安宅和人
【出版社】NewsPicksパブリッシング
【出版日】2020/7/29
【オススメ度】★★★★
【頁 数】444ページ
【目 次】
1章 データ×AIが人類を再び解き放つ
2章 「第二の黒船」にどう挑むか-日本の現状と勝ち筋
3章 求められる人材とスキル
4章 「未来を創る人」をどう育てるか
5章 未来に賭けられる国に-リソース配分を変える
6章 残すに値する未来