信頼口座が貯まれば、人間関係上手くいく!
フランクリン・コヴィー社共同創設者/教師/作家・スティーブン・R.コヴィーが、『7つの習慣 第三部 公的成功』と題して、第4、第5、第6の習慣を解説する1冊。
書籍の紹介文
人間関係を築くときにもっとも大切なのは、「あなたが何を言うか、どう行動するか」ですか?
あなたはどのように思いますか?
本書第三部は、相互依存すなわち、人間関係について解説する一冊。
良い人間関係を築き協力することで、最大限のパフォーマンスを生み出す方法をまとめたのが、本書です。
テクニック・スキルではない、人間関係の構築の本質が学べます。
信頼関係を作るコミュニケーション方法が分かります。
【要約】15個の抜粋ポイント
❶人間関係を築くときにもっとも大切なのは、あなたが何を言うか、どう行動するかではない。
人間関係を深めるテクニックやスキルがあるとすれば、それは真に自立した人間から自然と出てくるものである。
だから、どんな人間関係でも、まずは自分の内面に土台を築かなければならない。
❷ここで、信頼口座の残高を増やす六つの預け入れを紹介しよう。
相手を理解する
小さなことを気遣う
約束を守る
期待を明確にする
誠実さを示す
引き出してしまったときには心から謝る
❸正直は誠実さの一部であって、誠実であることは正直以上のものである。
正直とは真実を語ることであり、言い換えれば、現実に自分の言葉を合わせることだ。
これに対して誠実さとは、自分の言葉に現実を合わせることである。
誠実な人間となるもっとも大切なことは、その場にいない人に対して忠実になることである。
❹「何事でも人々からしてほしいと望むことは、人々にもそのとおりにせよ」(『マタイによる福音書』七章一二節)という黄金律がある。
自分はこう理解してほしいと思うように相手を一人の人間として深く理解し、その理解に従って相手に接する、ということではないだろうか。
❺Win-Winは、第3の案の存在を信じることである。
あなたのやり方でもなければ、私のやり方でもない、もっとよい方法、もっとレベルの高い方法だ。
❻お互いに満足でき、合意できる解決策を見つけられなかったら、Win-Winをさらに一歩進めたパラダイム、「Win-WinorNoDeal」という選択肢がある。
NoDeal(取引しない)とは、簡単に言えば、双方にメリットのある解決策が見つからなければ、お互いの意見の違いを認めて、「合意しないことに合意する」ことである。
NoDealを選択肢の一つとして持っていれば、余裕を持つことができる。
❼人格はWin-Winの土台である。すべてがこの土台の上に築かれる。
そしてWin-Winのパラダイムを身につけるには、人格の三つの特徴を育てなければならない。
・誠実──前に定義したように、誠実さとは「自分自身に価値を置くこと」である。
・成熟──成熟とは、勇気と思いやりのバランスがとれていることである。
・豊かさマインド──Win-Winに不可欠な人格の三番目の特徴は、豊かさマインドというものである。
この世にはすべての人に行きわたるだけのものがたっぷりあるという考え方だ。
❽Win-Loseタイプの人がWin-Winの人格を備えようとするときに、私が見出したことの一つは、Win-Winタイプの人と接してモデルやメンターにするのが一番効果的だということである。
それゆえ、私は文学を読むことを勧めたい。
たとえば、アンワル・サダトの自伝『エジプトの夜明けを』を読んだり、映画『炎のランナー』や演劇『レ・ミゼラブル』を観たりすることも、Win-Winを知るきっかけになるだろう。
❾Win-Win実行協定では、次の五つの要素をはっきりと決めることが大切である。
・望む成果──いつまでに、何を達成するのか(手段を決めるのではない)
・ガイドライン──望む結果を達成するときに守るべき基準(規則、方針など)
・リソース──望む結果を達成するために使える人員、資金、技術、組織のサポート
・アカウンタビリティ(報告義務)──結果を評価する基準、評価する時期
・評価の結果──達成度合い、貢献度合い、評価の結果としてどうなるのか
上司であれ親であれ、Win-Win実行協定でコントロールできる結果に対する評価は、基本的に四種類ある。
金銭的な結果、心理的な結果、機会、責任である。
❿私の場合、Win-Winの解決策を求める人や組織にアドバイスするときは、次の四つのステップを踏むプロセスを勧めている。
一.問題を相手の視点に立って眺めてみる。相手のニーズや関心事を当の本人と同程度に、あるいはそれ以上に理解しようとし、言葉にしてみる。
二.対処すべき本当の問題点や関心事(立場ではなく)を見極める。
三.どんな結果であれば双方が完全に受け入れられるのかを明確にする。
四.その結果に到達するための方法として新しい選択肢を見つける。
⓫私がこれまでに人間関係について学んだもっとも重要な原則を一言で言うなら、「まず理解に徹し、そして理解される」ということだ。
この原則が効果的な人間関係におけるコミュニケーションの鍵なのである。
⓬四番目のレベルは、注意して聞く。
神経を集中して、相手が話すことに注意を払う。
ほとんどの人は四番目のレベルが最高なのだが、実はもう一段上、五番目のレベルがある。
これができる人はそういないのだが、相手の身になって聴く、共感による傾聴である。
共感による傾聴とは、まず相手を理解しようと聴くことであり、相手の身になって聴くことである。
相手を理解しよう、本当に理解したいという気持ちで聴くことである。
⓭コミュニケーションの専門家によれば、口から出る言葉は人間のコミュニケーションの一〇%足らずで、三〇%は音や声のトーンによるコミュニケーション、残りの六〇%がボディランゲージである。
共感して聴くには、耳だけではなく、もっと大切なのは、目と心も使うことである。
相手の気持ちを聴きとる。
言葉の裏にある本当の意味を聴きとる。
行動を聴きとる。
左脳だけでなく右脳も使って、察し、読みとり、感じとるのである。
⓮最後の第四段階は、二番目と三番目を組み合わせたものになる。
相手の言葉を自分の言葉に置き換えると同時に、相手の気持ちも言葉にするのである。
「父さん、学校なんてもういやだよ。くだらないよ」
「学校に行きたくなくて、なんだかイライラしているようだね」
「学校に行きたくなくて」の部分が話の内容、
「イライラしているようだね」の部分が気持ちである。
ここでは左脳と右脳の両方を使って、相手が伝えようとしている言葉と気持ちの両方を理解しようとしている。
⓯シナジーの本質は、お互いの違いを認め、尊重し、自分の強みを伸ばし、弱いところを補うことである。
一つひとつの習慣が持つ力は、相互に関係し合ったときに最大の力を発揮するのである。
【実践】3個の行動ポイント
- 「相手を理解しよう」「本当に理解したい」という気持ちで話を聴く!
- 約束を守る!
- 嘘をつかない!
ひと言まとめ
信頼口座が貯まれば、人間関係上手くいく!
書籍情報
【書籍名】7つの習慣 人格主義の回復
【著者名】スティーブン・R.コヴィー
【出版社】キングベアー出版
【出版日】2013/8/30
【オススメ度】★★★★★(満点評価)
【頁 数】560ページ
【目 次】第三部公的成功
相互依存のパラダイム
信頼口座
主な六つの預け入れ
愛の法則と人生の法則
Pの問題とPCを高める機会
相互依存の習慣
第4の習慣Win-Winを考える
人間関係におけるリーダーシップの原則
人間関係の六つのパラダイム
どのパラダイムがベストか?
Win-WinorNoDeal
Win-Winの五つの側面
第4の習慣:Win-Winを考える実践編
第5の習慣まず理解に徹し、そして理解される
共感によるコミュニケーションの原則
人格とコミュニケーション
共感による傾聴
処方する前に診断する
四つの自叙伝的反応
理解ととらえ方
そして理解される
一対一
第5の習慣:まず理解に徹し、そして理解される実践編
第6の習慣シナジーを創り出す
創造的協力の原則
シナジーを創り出すコミュニケーション
教室でのシナジー
ビジネスでのシナジー
シナジーとコミュニケーション
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ネガティブなシナジー
違いを尊重する
力の場の分析
自然界のすべてはシナジーである
第6の習慣:シナジーを創り出す実践編