文章はオレンジジュース!
ライター/株式会社バトンズ代表・古賀 史健が、『20歳の自分に受けさせたい文章講義』と題して、伝わる文章の書き方
を解説する1冊。
書籍の紹介文
「話すことはできても書けない」のは、「なぜ」でしょう?
あなたはどのように思いますか?
本書は、学校では習うことのなかった文章の書き方、について解説する一冊。
どうすれば読みやすい文章を書けるようになるのか?をまとめたのが、本書です。
文章の書き始めから終わり方、までの手順が学べます。
読み手に伝わる文章が、書けるにようなります。
【要約】15個の抜粋ポイント
①〝書く技術〟を身につけることは、そのまま〝考える技術〟を身につけることにつながる。
②文章とは「頭のなかの『ぐるぐる』を、伝わる言葉に〝翻訳〟したもの」である
③「1行の間に必ず句読点をひとつは入れる」
もしも句読点が入らない場合は、カッコ「」を入れる。
④読みやすさを優先して考えるなら、10行と言わず、最大5行あたりをメドに改行したほうがいいだろう。
⑤漢字そのものが太字で書かれたキーワードのような役割を果たしている。
⑥一般に〝事実〟の描写というと、数字や科学的データの挿入だけで終わってしまいがちだ。
しかし、本当のリアリティは、
日常の何気ないところに転がっている〝面倒くさい細部〟を描写することによって生まれるのである。
⑦結局、われわれが本当の意味でその「椅子」に座れる読者は、世の中に2人しかいないとぼくは思っている。
次の2人だ。
①10年前の自分
②特定の〝あの人〟
⑧もともとひとつの本は、内容で読むひとを限ってしまうところがある。
これはどんなにいいまわしを易しくしてもつきまとってくる。
また一方で、著者の理解がふかければふかいほど、わかりやすい表現でどんな高度な内容も語れるはずである。
これには限度があるとはおもえない。
(改訂新版『共同幻想論』吉本隆明/角川書店)
⑨文章の「起〝転〟承結」を成立させるためには、冒頭に「自らの主張と真逆の一般論」を持ってくる必要がある。
なぜなら、そうしないとあなたの主張が〝転〟の役目を果たさないからだ。
⑩「大きなウソは許されるが、小さなウソは許されない」
⑪細部をどれだけ大事にできるかは、文章を書く上で最重要ポイントのひとつと考えていいだろう。
⑫「目からウロコが落ちる」要素は、全体の3割で十分だと思っている。
⑬「文章には〝自分の頭でわかったこと〟以外は書いてはいけない」
⑭素材も題材も、探す必要はないのだ。
問題は「なにを書くか?」ではなく、「なにを書かないか?」なのだ。
面白くない文章とは、なによりも冗長なのだ。
⑮「いい文章」とは「読者の心を動かし、その行動までも動かすような文章」のことである。
【実践】3個の行動ポイント
✔️文章は簡潔にする!
✔️小さなウソを書かない!
✔️句読点を1文に1つ以上入れる。
ひと言まとめ
文章は書こうとするな!
翻訳せよ!
書籍情報
【書籍名】20歳の自分に受けさせたい文章講義
【著者名】古賀 史健
【出版社】講談社
【出版日】2012/1/26
【オススメ度】★★★★
【頁 数】280ページ
【目 次】
◆はじめに「話せるのに書けない!」のはなぜか?
文章がうまくなる必要なんてない
「話し言葉」を「書き言葉」に変換するノウハウ
学校の作文はすべて忘れよう
書くこととは、考えることである
ガイダンスその気持ちを「翻訳」しよう
うまく言葉にできない、頭の中の「ぐるぐる」
なぜ〝翻訳〟が必要なのか?
「頭の中が見せられるなら見せるんだ」
「あー、面白かった」しか言えない人
聞いた話を〝自分の言葉〟で誰かに話す
「地図・絵・写真」を言葉にしてみる
「書く時代」が訪れる前に
◆第1講文章は「リズム」で決まる
文体とは「リズム」である
「リズムの悪い文章」はなぜ読みにくいのか?
「バカバカバカ」と笑う女子高生
リズムのカギは接続詞にある
美文よりも「正文」を目指す理由
ローリング・ストーンズに学ぶ文章術
文章の「視覚的リズム」とは?
句読点は「1行にひとつ」
改行のタイミングは早くていい
漢字とひらがなのバランスを考える
音読してなにをチェックするのか
断定はハイリスク・ハイリターン
◆第2講構成は「眼」で考える
文章の面白さは「構成」から生まれる
起承転結は悪なのか?
文章のカメラワークを考える
導入は「映画の予告編」のつもりで
予告編の基本3パターン
論理展開のマトリョーシカ人形
すべての文章には〝主張〟が必要だ
〝理由〟と〝事実〟はどこにあるか
〝面倒くさい細部〟を描く
文字量を〝眼〟で数える
◆第3講読者の「椅子」に座る
あなたにも〝読者〟がいる
「10年前の自分」に語りかける
たったひとりの〝あの人〟に向けて書く
「わかるヤツにわかればいい」のウソ
「生理的に嫌いな文章」に注目する
読者は「どんな姿勢で」読んでいるか
〝説得〟せずに〝納得〟させる
人は「他人事」では動かない
〝仮説&検証〟で読者をプレーヤーにする
読者を巻き込む「起〝転〟承結」
冒頭に「真逆の一般論」をもってくる
「大きなウソ」は許されるが、「小さなウソ」は許されない
「わかったこと」だけを書く
目からウロコを何枚落とすか?
なぜ「あなたにも〝読者〟がいる」のか?
◆第4講原稿に「ハサミ」を入れる
右手にペンを、左手にはハサミを
「なにを書くか?」ではなく「なにを書かないか?」
伝わる文章は〝オレンジジュース〟
まずは頭の中の〝ぐるぐる〟を紙に書き出す
下手な文章術より映画に学べ
「もったいない」のサンクコスト
なぜ文章を切り刻むのか?
図に描き起こすことができるか?
映像は思い浮かぶか?
行き詰まったらフォントを変えてみる
1回ではダメ。2回は読み返す
「いい文章」とはなにか
◆おわりに