【書評・要約】未来に先回りする思考法【未来は”点”でなく”線”で見よ!】

未来は”点”でなく”線”で見よ!

株式会社メタップス 代表取締役社長・佐藤航陽が、『未来に先回りする思考法』と題して、

・テクノロジーの進化にはどんな「パターン」が隠されているか(1章)

・インターネットを中心とする新しいテクノロジーはこれから社会のシステムをどう塗り替えていくのか(2章)

・テクノロジーの進化は私たちにどんな問題をもたらすのか(3章)

・未来を予測したうえで、個人はどう意思決定すべきなのか(4章)

の4つの項目について考察する1冊。

書籍の紹介文

未来とは予測できるものでしょうか?

あなたはどう思いますか?

99・9%の人は未来を見誤る。

それはなぜか?

それは多くの人が未来を点で見るから

未来は線で見よ!

”Google、Amazon、Facebookなどの巨大IT企業の創業者たちが考える未来像は驚くほど酷似しています。”

”彼らは「いつ」それに取りかかるのかのタイミングの読み合いをしているだけです。”

と筆者は説きます。

 

本書は、世界中で、ビジネスの最前線に立ち試行錯誤を繰り返した末に得られた、「社会の変化を一本の線として考えるための原理原則」をまとめた一冊。

テクノロジーの進化からどのように社会が変化していくのか大きな流れをつかむことができます。

意思決定・行動に重要な事が分かります。

 

【要約】15個の抜粋ポイント

❶どれだけ多くの経験を積んでも、この世界の「不確実性」からは逃れることができないのならば、いっそのことそのリスクも理解した上で組織をつくるという理詰めの選択の結果が、あの「20%ルール」なのです。

 

❷テクノロジーは「人間を拡張するものであること」。

そして、「いずれ人間を教育しはじめること」。

最後に「掌からはじまり、宇宙へと広がっていくこと」です。

 

❸①電気がコンピュータを生み、

②コンピュータがインターネットにより接続され、

③インターネットが社会の隅々にまで浸透しIoTが進み、

④発生した膨大なデータはAIに集約され、

⑤自律的に判断するAIがデータを分析し判断を下すようになり、

⑥あらゆる物体が知性を獲得する

というひとつの線で捉えていけば、その本質は、少し理解しやすくなります。

大事なのはこれらの変化を「点」ではなく「線」として、結びつけて理解することです。

 

インターネットの発達は「ガイア理論」の延長であるという、興味深い説があります。

ガイア理論とは、地球と、地球上に生きるすべての生物をひとつの巨大な生命体と捉える理論です。

 

❺長期的にみれば、人間が想像できるようなアイデアは、そのほとんどが実現されます。

結局、アイデア自体は、将来における「点」なのです。

そのときは突拍子もないように思えても、時間の経過とともに、技術面や価格面でのブレイクスルーによってピースが埋まっていき、いつかどこかで進化の「線」に取り込まれます。

問題はそのタイミングがいつかということです。

実は、テクノロジーを「点」ではなく「線」で捉えている人たちにとっては、どの事業を足がかりにするかという「道」はそれぞれ違えど、その「目的地」はほぼ同じです。

 

❻本当に大きな成果を上げたいのであれば、真っ先に考えなければいけないのは今の自分が進んでいる道は「そもそも本当に進むべき道なのかどうか」です。

物事は、惰性で進みがちです。

「どうすれば現状のやり方を効率化できるか」と考える前に、「今も本当にそれをやる価値があるのか」を優先して考える癖をつけることをお勧めします。

大きなリターンを出すためには、適切な時に適切な場所にいることが重要です。

人間ひとりの努力によってできることは非常に限られています。

努力に頼るよりも、大きな流れに乗る方が、はるかに速く目的地に着くことができます。

 

❼これまでつながっていなかったノード同士が相互に結びつくことで、情報のハブであった代理人の力が徐々に失われていくというのが、これからの社会システムの変化を見通すうえでの重要な原理原則です。

 

❽物事がうまくいかない場合、パターンを認識するために必要な試行回数が足りていない場合がほとんどです。

サンプルが必要だと頭ではわかりながらも、感情的な理由から十分な数が集まる前にあきらめてしまう。

目標の達成を阻んでいるのは、実は人間の感情というフィルタだったりします。

一回一回の成否に一喜一憂せずに、パターンと確率が認識できるまで「実験」だと割りきって量をこなすことが重要です。

 

❾未来に先回りするために重要なことは3つあります。

1常に原理から考える

2テクノロジーの現在地を知る

 ①使える

 ②ポテンシャルがわかる

 ③なぜできたのかを原理から理解している

 ④実際の作り方がわかる

 重要なのは③の「原理」を知っているかどうか

3タイミングを見極める

そのためには、必要なリソースを調達する必要があります。

実は、これが最も難しいのです。

 

将来的に新しい情報が得られるであろうことを考慮に入れた上で、一定の論理的な矛盾や不確実性をあえて許容しながら意思決定を行うことが、未来へ先回りするための近道です。

 

⓫リアルタイムの状況を見ると自分も含めて誰もがそうは思えないのだけれど、原理を突き詰めていくと必ずそうなるだろうという未来にこそ、投資をする必要があります。

自分でも成功確率が五分五分というタイミングが、本当の意味でのチャンスです。

 

⓬社会が進化する方向性には、大きな「流れ」があります。

社会をより便利で効率的な場所に変えていこうとすると、試行錯誤の段階では様々な選択肢が広がっていますが、最終的には効率の良いもののみが生き残り、ひとつの結論に向けて収斂していくことになります。

社会の効率がだんだんと良い方に向かっていくのであれば、それは一本の軸を左から右へと進んでいくような変化であり、あまり多様性が生じる余地はありません。

 

⓭人間の考える主義思想にはすべて「賞味期限」があります。

新しいテクノロジーの登場とともに一時期栄えた主義思想が必ず古くなっていくこと自体もまたひとつのパターンです。

そしてその「賞味期限」は、テクノロジーの進化が加速するにしたがってどんどん短くなってきています。

もしITという新しいテクノロジーの誕生で次の価値主義というパラダイムに移行しても、それが続く期間は、以前よりもずっと短く、せいぜい30年から50年程度のはすです。

数十年後には「情報」の持つ価値が「資本」の持つ価値を完全に超えてしまい、情報そのものが経済を成立させはじめるでしょう。

変化のスピードは速い順に、消費者、法人、行政・司法です。

 

⓮理論上はネット上に限らず、あらゆるサービスは価格競争の末、無料に近づいていく運命にあります。

あらゆるもののコストが下がっていく中で、今後は労働すること自体の需要が減っていきます。

今のペースで行くと30年後には週休4日、つまり3日働いて4日休むような未来が到来してもおかしくはないでしょう。

 

⓯テクノロジーの性質を考えたとき、人工知能と人間を対立軸で考えることは近視眼的であるといわざるをえません。

なぜなら、今後テクノロジーの進化によって、「人間の機械化」と「機械の人間化」が同時に進んでいき、人間という存在そのものもテクノロジーによって変化していくからです。

【実践】3個の行動ポイント

✔️「今も本当にそれをやる価値があるのか」を優先して考える!

✔️自分の納得感よりもパターンから考えて得られた回答を優先する!

✔️パターンと確率が認識できるまで「実験」だと割りきって量をこなす!

 

ひと言まとめ

パターンを見抜いて未来を先回りする!

成功するかはタイミングが全て!

 

書籍情報

【書籍名】未来に先回りする思考法

【著者名】佐藤航陽

【出版社】ディスカヴァー・トゥエンティワン

【出版日】2015/8/27

【オススメ度】★★★★☆

【頁 数】222ページ

【目 次】

はじめに―なぜ、99・9%の人は未来を見誤るのか

0・1%の人は「世界が変化するパターン」を見抜いている

未来はビジネスの世界から見えてくる市場の変化は加速し続ける

「リーンスタートアップ」ではもう勝てない理由

点ではなく線で考えろ

第1章 テクノロジーの進化には一本の「流れ」がある

テクノロジーの3つの「本質」

1人間の拡張

2人間への教育

3掌から宇宙へ

スマホは「電話つき超小型コンピュータ」

あらゆる物体に浸透するインターネット

ビッグデータは人工知能という「出口」を見つけた

あらゆる物体に宿る知性

テクノロジーは「天才」を量産可能にする

人間はパターンの塊目や耳が世界中に埋め込まれる

宇宙産業と融合するインターネット

想像できる技術のほとんどは実現される

すべての企業の「目的地」はひとつ

タイミングがすべてを決める

ニコラ・テスラの不幸

第2章 すべてを「原理」から考えよ

すべては「必要性」からはじまる

日本でイノベーションが起きない本当の理由

原理に立ち返って考える

思考の補助線としての社会の3類型

1血縁型の封建社会

2ハブ型の近代社会

3分散型の現代社会

テクノロジーが境界線を「溶かす」

1国家と企業

2社内と社外

3自分と他人

塗り替えられる近代の社会システム

1国家領土・国民・権力国民国家VS多国籍企業

 権力で多国籍企業を制限しはじめた

 国家融合する国家と企業通貨発行権をめぐる争い

2政治中抜きされる選挙と議会

 投票率が低いことは悪なのか

 国家にも経営戦略が必要となる

3資本主義価値の媒介として誕生した貨幣

 資本主義の誕生で社会の主役に

 資本の「ひとり歩き」

 貨幣はひとつの選択肢にすぎなくなった

 財務諸表にはすべての価値を記載することができない

 政治と経済はひとつになる

 価値と利益は等しくなる

 価値主義の特徴

 1目的への回帰

 2選択の自由の広がり主義

思想の「賞味期限」

資本と情報の価値が逆転する

世界変化のスピードは①消費者②法人③行政・司法

第3章 テクノロジーは人類の敵なのか

起業家すら置き去りにしはじめたテクノロジーの進歩

イノベーションは不安の対象に

「ロボットが仕事を奪う」に欠けている視点

あらゆるものは無料に近づく

企業によるベーシック・インカム

生活コスト削減ツールとしてのシェアリングエコノミー

人工知能は人間を再定義する

ITは人間にとっての「親指」である

パーソナライズの誤謬

   ITは人間にとっての「親指」である

パーソナライズの誤謬

人間にとって最大の脅威は人間である

1サイバーセキュリティ

2グローバルIT企業と政府の恊働

3戦争とロボットテクノロジーは神にとって代わるのか

第4章 未来に先回りする意思決定法

効率化の「罠」を回避する方法

1常に原理から考える

2テクノロジーの現在地を知る

3タイミングを見極める

メディアと周囲の人をリトマス試験紙にせよ

パターンが掴めるまで意図的に失敗を重ねる

ロジカルシンキングを疑う

合理性は後付け

自分を信じない大物投資家

今の自分の能力に基づいて意思決定してはいけない

ルールのあるところで戦わない

納得感よりパターンを信じる

五分五分で決断する

いずれくる未来の到来を早めるために

おわりに―Beadoer,notatalker.(評論家になるな、実践者たれ)

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