【書評・要約】お金2.0 新しい経済のルールと生き方【お金は道具!】

お金は単なる道具である!

起業家・佐藤航陽が、『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』と題して、この21世紀に登場した「新しい経済」とはどんな経済なのか、その「新しい経済の歩き方」

を解説する1冊。

書籍の紹介文

お金中心の価値観で生きてませんか?

お金に振り回されていると思いませんか?

「お金の価値は下がっていき、資本主義から価値主義の時代へ移行していく!」と筆者は説きます。

本書は、現在の経済やお金の起源、そのメカニズムを紹介して、それがテクノロジーによってどのように変化していっているのかを扱い、最後に資本主義の欠点を補った考え方として、価値を軸として回る社会「価値主義」という枠組みを提案した一冊。

「お金や経済とは何なのか?」、その正体が分かります。

その正体を理解した上で使いこなし、目の前のお金の問題を解決することができます。

お金というフィルターを外して人生を見つめ直すことで、「自分はなぜ生まれてきて、本当は何がしたいのか?」という本質的なテーマに向きあう契機になります。

 

【要約】15個の抜粋ポイント

❶現実はおおよそ3つの異なるベクトルが併存し相互に影響を及ぼしており、それらが未来の方向性も決めている、という構造です。

もちろん実際はもっと複雑で無数の要素があるのでしょうが、中でも影響力の強い3つに絞りました。

「お金」「感情」「テクノロジー」の3つです。

引っ張る力はお金が一番強く、次に感情、最後がテクノロジーです。

ただ、必ず3つのベクトルが揃っていないと現実ではうまく機能しないというのが特徴です。

 

❷社会的に価値のある取り組みは利益を出しやすくなってきている一方で、利潤のみを徹底的に追求する事業は短期的な利益を求めすぎて消費者に避けられてしまうか、過剰競争に巻き込まれて長期的には収益を出しにくくなっているような気がします。

数十年後には「営利」と「非営利」という区別はなくなっており、活動は全て「価値」という視点から捉えられるようになっているでしょう。

 

❸多くのミレニアル世代が人生の意義のようなものを探している世界では、内面的な欲望を満たす価値を提供できる人が成功しやすくなります。

この世界で活躍するためには、他人に伝えられるほどの熱量を持って取り組めることを探すことが、実は最も近道と言えます。

その人でなければいけない、この人だからこそできる、といった独自性がそのまま価値に繫がりやすいです。

 

❹新しいものが出てきた時に、それに似た業界の前提知識があると、その知識に当てはめて新しいものを見てしまう傾向があります。

しかし、それは危険です。

仮想通貨も既存の金融業界の人ほど理解に苦しみ、全く前提知識のない若者や一般の人のほうが自然に受け入れて使いこなしています。

 

❺経済は人と人の繫がりが切れたり、新しく繫がったりと、ネットワーク全体が常に組み替えを繰り返していて流動的です。

そして、このような動的なネットワークには共通する特徴が2つあります。

①極端な偏り

②不安定性と不確実性

 

❻経済とは簡単に言うと「人間が関わる活動をうまく回すための仕組み」です。

手軽にネットでサービスを作って世界中の人に使ってもらえるような時代になった今、経済は「読み解く対象」から「創り上げていく対象」に変化しつつあります。

 

❼この持続的かつ自動的に発展していくような「経済システム」にはどんな要素があるかを調べていった結果、5つほど共通点があることに気がつきました。

 

①インセンティブ、

②リアルタイム、

③不確実性、

④ヒエラルキー、

⑤コミュニケーション、

の5つです。

 

追加①経済システムの「寿命」を考慮しておく

追加②「共同幻想」が寿命を長くする

 

これからは価値という観点から、自分なりの独自の枠組みを作れるかどうかの競争になります。

枠組みの中の競争ではなく、枠組みそのものを作る競争です。

そのためには自分の興味や情熱と向きあい、自らの価値に気づき、それを育てていく。

そしてその価値を軸に自分なりの経済圏を作っていく。

あくまで重要なのは自分自身と向きあった上で、自分の情熱を発見し、自らの価値を大事に育てていくことだと私は思っています。

 

❾価値主義で扱う価値とは、

①有用性としての価値だけではなく、

②人間の内面的な価値や、

③全体の持続性を高めるような社会的な価値も、

すべて価値として取り扱う仕組みです。

そして①と比べて②や③は物質がなく曖昧であるがためにテクノロジーの活用が不可欠です。

 

経済も自然も脳も、いずれも膨大な個体で構成される有機的なネットワークであり、情報やエネルギーを交換しながら全体がまるで1つの生き物のような振る舞いをします。

人間の認識のフィルターを通して見ると違うものとして区別されているけど、自然や経済や脳はもともと同じ「出発点」にあった存在と考えることもできます。

経済・自然・脳のように、複数の個が相互作用して全体を構成する現象は「創発」と呼ばれます。

今後はこのような構造を使いこなす「創発的思考」とも言える思考体系が必要になってくると考えています。

 

⓫本当に言いたいのは「複数の経済システムは並存し得る」という点です。

私たちがどんな職業につき、誰と結婚して、どんな宗教を信じ、どんな政治思想を持つのも個人の自由であるのと同様に、何に価値を感じて、どんな資産を蓄え、どんな経済システムの中で生きていくのかも自分で選んで自分で決められるようになっていく。

私たちはその過程にあります。

そこでは優劣を決めようとしたり自分の基準を他人に押し付ける必要は全くなく、ただ個人が自分に最も適した経済を選んでいくという「選択」があるだけです。

 

⓬シェアリングエコノミーをさらに推し進めたのが、トークンエコノミーです。

シェアリングエコノミーはEコマースやソーシャル的な側面から語られることが多く、トークンエコノミーは仮想通貨やブロックチェーンの文脈から語られることが多いため、2つは全く違うものと捉えられがちです(実際にエンジニアのスキルや業界も違います)。

しかし、この2つは「分散化」という大きな流れの中の延長線上に存在するものと考えたほうが良いでしょう。

トークンエコノミーと、既存のビジネスモデルの大きな違いは、経済圏がネットワーク内で完結している点です。

 

世の中に膨大なデータが溢れたことで進んでいく「自動化」と、ネットワーク型社会に移行することで起きる「分散化」という2つの大きな流れは、今後の10年を考える上で非常に重要になります。

そして、この2つが混ざった時に起こる「自律分散」というコンセプトが、多くの産業のビジネスモデルを覆すことになると私は思っています。

 

⓮今日のテクノロジーによって「経済の民主化」が進み、万人が経済を自らの手で作れるようになると、今私たちが考えている以上に社会は大きく変化していくでしょう。

現代で「知識」そのものがコモディティ化されたことと同様に、「お金」そのものもコモディティ化し、今ほど貴重なものとは考えられなくなることが予想されます。

現在も知識は検索すれば誰にでもすぐに手に入ります。

むしろその情報をどのように使いこなすかという活用法が重要になっています。

同様に、お金そのものには価値がなくなっていき、むしろどのように経済圏を作って回していくかというノウハウこそが重要な時代に変わっていくと考えています。

 

⓯今起きていることは、お金が価値を媒介する唯一の手段であったという「独占」が終わりつつあるということです。

価値を保存・交換・測定する手段は私たちがいつも使っているお金である必要はなくなっています。

今後は、可視化された「資本」ではなく、お金などの資本に変換される前の「価値」を中心とした世界に変わっていくことが予想できます。

私はこの流れを「資本主義(capitalism)」ではなく「価値主義(valualism)」と呼んでいます。

 

【実践】3個の行動ポイント

✔️新しいことに偏見を持たず興味を示す!

✔️自分の好きなことを見極める!

✔️自分の好きなことに情熱を向ける!

 

 

ひと言まとめ

「〝誰もが〟人生の中で目的(意義)を持てる世界を創り出そう!」

 

書籍情報

【書籍名】お金2.0 新しい経済のルールと生き方

【著者名】佐藤航陽

【出版社】幻冬舎

【出版日】2017/11/29

【オススメ度】★★★☆☆

【頁 数】224ページ

【目 次】

◆はじめに

第1章 お金の正体

◆3つのベクトルが未来の方向性を決める

◆急激に変わるお金と経済のあり方

◆お金とは何か?

◆お金が社会の中心に位置づけられた資本主義

◆中央銀行の仕組み

◆仮想通貨は鏡の世界?

◆膨大なデータから見えてきた「経済システム」の構造

◆経済とは「欲望のネットワーク」

◆人の手で経済は創れるか?

◆発展する「経済システム」の5つの要素

◆経済に持続性をもたらす2つの要素

◆ビットコインに感じた「報酬設計」の秀逸さ

◆「経済システム」の活用

◆持続的に成長する組織の条件

◆勝手に拡大するサービスを作るには?

◆「小米」に学ぶ経済圏の作り方

◆経済と脳の深い関係

◆進化する、脳が欲する「報酬」の種類

◆脳は飽きやすい──変化と不確実性

◆快感は他人との比較によって高まる

◆ゲームとは報酬回路を人工的に刺激する「優れた装置」

◆快楽物質は強力すぎる諸刃の剣

◆「自然」は経済の大先輩

◆経済と自然の根底にある同一システム

◆企業経営を通して学んだ「ビジョン」の重要性

◆有機的なシステムとしての経済

◆マトリョーシカ人形のような入れ子の構造

◆自然の秩序に反したルールの危険性

◆ダ・ヴィンチには見えていた〝ひとつの世界〟

 

第2章 テクノロジーが変えるお金のカタチ

◆テクノロジーの変化は点ではなく線で捉える

◆今起きているのはあらゆる仕組みの「分散化」

◆分散化する社会とシェアリングエコノミー

◆中国がリードするシェアの世界

◆「評価経済」でまわる中国

◆国家を代替するトークンエコノミーの可能性

◆トークン化する世界

◆完全に分散した経済システム:ビットコイン

◆「自律分散」という次世代の成功モデル

◆AIとブロックチェーンによる無人ヘッジファンド

◆中国の無人コンビニ

◆テクノロジーによって経済は「作る」対象に変わった

 

第3章 価値主義とは何か?

◆限界を露呈し始めた資本主義

◆資産経済の肥大化と金余り現象

◆お金にはなりにくい「価値」の存在

◆社員の満足度を投資判断の材料にするファンド

◆資産としては認識されないデータの「価値」

◆資本主義から「価値主義」へ

◆「価値」の3分類

◆資本主義の問題点をカバーする「価値主義」

◆「共感」や「感謝」などの内面的な「価値」の可視化と流通

◆「評価経済」の落とし穴

◆社会的な価値・ソーシャルキャピタルの可視化

◆営利と非営利の境界線が消える

◆経済と政治の境界も消える

◆ベーシックインカム普及後の、「お金」

◆「経済」は選べばいい

◆複数の経済圏に生きる安心感

◆「時間」を通貨とする経済システムの実験

◆タイムバンクとVALUの正体

◆デジタルネイティブからトークンネイティブへ

◆「価値主義」とは経済の民主化である

 

第4章 「お金」から解放される生き方

◆人生の意義を持つことが「価値」になった世代

◆若者よ、内面的な「価値」に着目せよ

◆「儲かること」から「情熱を傾けられること」へ

◆人間の心は放っておくとすぐサビる

◆「お金」のためではなく「価値」を上げるために働く

◆枠組みの中での競争から「枠組み自体を作る競争」へ

 

第5章 加速する人類の進化

◆お金にならなかったテクノロジーに膨大なお金が流れ込む

◆電子国家の誕生:エストニア

◆宗教と価値主義

◆「現実」も選ぶ時代へ

◆人類の経済圏は大気圏を突破する

◆「お金」は単なる「道具」である

◆おわりに

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