【書評・要約】上級国民/下級国民【上級の特権は一夫多妻!】

 

やっぱり学歴は重要だった!

作家・橘 玲が、『上級国民/下級国民』

と題して、バブル崩壊後日本で下級が増えた理由、モテ・非モテが上級・下級に繋がっている理由、世界中で拡大している上級、下級の分断、

を解説する1冊。

書籍の紹介文

上級・下級とは現代に存在する身分制度の階層である!

では、下級の私たちに未来はないのでしょうか?

社会的に解決できない問題も、個人的に解決することは可能!

と筆者は説きます。

 

本書は、上級、下級が存在する近代から現代、この先の世界はどうなっていくのか?

について解説する一冊。

 

上級、下級の仕組みが分かります。

 

年金破綻問題はどうなっていくのか?

ベーシックインカムが失敗する理由、がわかります。

 

【要約】15個の抜粋ポイント

❶平成の日本の労働市場では、若者(とりわけ男性)の雇用を破壊することで中高年(団塊の世代)の雇用が守られたのです。

 

❷私は、日本的雇用の本質は「重層的な差別」であると考えています。

なぜなら、日本という社会が、先進国のふりをした身分制社会だからです。

そのためこの国では、あらゆるところに「身分」が顔を出します。

正社員と非正規は「身分」がちがい、人間としての「価値」がちがうということでしょう。

 

マスコミも含め日本の企業や官庁、労働組合などを支配しているのは「日本人、男性、中高年、有名大学卒、正社員」という属性を持つ〝おっさん〟で、彼らが日本社会の正規メンバーです。

そんな〝おっさん〟の生活(正社員共同体としての会社)を守るためには「外国人、女性、若者、非大卒、非正規」のようなマイノリティ(下級国民)の権利などどうなってもいいのです。

 

❹高齢世帯が、金融資産をほとんど保有していない3割と、多額の金融資産を持つ3割に二極化している

高齢化が進むにつれて、社会保障に依存する国民の割合は高くなります。

このひとたちは年金がないと生きていけませんから、いまや年金受給権に触れるのは最大の政治的タブーなのです。

平成が「団塊の世代の雇用(正社員の既得権)を守る」ための30年だったとするならば、令和の前半は「団塊の世代の年金を守る」ための20年になる以外にありません。

 

❺「ひたすら対症療法を繰り返す」のだそうです。

年金が破綻しそうになったら保険料を引き上げる。

医療・介護保険が膨張したら給付を減らす。

それでも駄目なら消費税率をすこしだけ上げる。

そうやって20年間耐えつづけ、2040年を過ぎれば高齢化率は徐々に下がっていく。

だったらなぜ、わざわざ「改革」などという危険なゲームをしなければならないのか。

これが「霞が関の論理」だというのです。

この持久戦に耐え抜けば「下級国民」があふれるより貧乏くさい社会が待っており、失敗すれば日本人の多くが難民化する「国家破産」の世界がやってくる。

これが、私たちが生きることになる令和の日本なのでしょう。

 

❻①非大卒より大卒の方がポジティブ感情が高い(例外なし)

 ②他の要素が同じなら男性より女性の方がポジティブ感情が高い(壮年大卒男性は例外)

 ③他の要素が同じなら壮年より若年の方がポジティブ感情が高い(若年大卒男性は例外)

 

❼2000年代に流行語になった「下流社会」は、「(学歴にかかわらず)誰もが下流に落ちる可能性がある」という意味で使われました。

しかしこれは、事実(ファクト)に反します。

現代日本社会において、「下流」の大半は高卒・高校中退の「軽学歴」層なのです。

 

❽人は生まれながらにして貴賤・貧富の別なし。

ただ学問を勤めて物事をよく知る者は貴人となり富人となり、無学なる者は貧人となり下人となるなり。

これは一般には、「学問に勤めれば成功できる」という意味だと解釈されています。

だが逆に言えば、「『貧人』『下人』なのは学ばなかった者の自己責任」ということになるでしょう。

教育の本質は「上級/下級」に社会を分断する「格差拡大装置」であることを、福沢諭吉は正しく理解していたのです。

 

❾「女性は男性より幸福度が高い」

女性は「階層帰属意識」が低くても、それが生活満足度や幸福感の低下に直結しない

若い女性は大きな「エロス資本(エロティック・キャピタル)」を持っており、それを資本市場でマネタイズ(換金)している

エロス資本を失ったとしても、壮年女性は壮年男性より不安定性が低く、ポジティブ感情も高い

この理由を、女性の方が「つながり」をつくるのが上手だからではないかと考えています。

 

女がモテる最大の要素は「若さ」で、男の場合は「カネと権力」すなわち共同体内での地位です。

男の性淘汰では、「持てる者」になる(高い階級に達する)ことと、女性に「モテる」ことが一致します。

やがて、男集団内の階層がはっきりしてくると、女の「分配」に大きな偏りが生じるようになって「友情」は失われていきます。

一定の年齢を過ぎると「男同士の絆」はほどけ、男は「友だち」をつくれなくなるのです。

 

⓫現代日本において、男にとっての共同体は会社(仕事)であり、ビジネスで成功して大きな富を得ることで女性の注目を集めます。

これは逆にいうならば、(非正規やフリーターなど)ビジネスで成功できない「持たざる者=下級国民」は会社共同体から排除され、さらには性愛からも排除されてしまうということです。

この「二重の排除」は、最近では「居場所がない」と表現されます。

 

⓬ゆたかさを背景に価値観の大きな転換が起こります。

それをひと言でいうなら、「私の人生は私が自由に選択する」です。

誰もが自己実現できるリベラルの理想世界は、究極の自己責任の世界なのです。

 

⓭テクノロジー爆発によってとてつもなくゆたかな「知識社会」が到来すると、ひとびとは共同体のくびきから逃れ、一人ひとりの自由な意思によって自己実現を目指すようになります。

これが「リベラル化」です。

「進化」したテクノロジーは、国境を越えたヒト、モノ、カネの移動を可能にします。

これは「グローバル化」と呼ばれます。

このように、「知識社会化」「リベラル化」「グローバル化」は三位一体の現象です。

「知識社会化・リベラル化・グローバル化」の大潮流のなかで、「リバタニア」というグローバルなリベラル(自由主義者)の仮想共同体と、国や人種・民族、宗教ごとに分断された多くの「ドメスティックス」が生まれつつあります。

 

⓮貧しいひとびとの「経済合理的」な行動によって、裕福な国のベーシックインカムは確実に破綻するのです。

ベーシックインカムでは「モテ/非モテ」問題は解決できないのです。

お金を分配するのと同じように、男に対して女を分配することはできません。

誰もが働く必要がなくなれば、思春期の若者から壮年、あるいは高齢者まで、人生の興味・関心は性愛(男はセックス、女は恋愛)に集中するようになるにちがいありません。

リベラルな理想社会は誰もが自己実現できる自由な社会ですから、そこは究極の「自由恋愛」の世界になるでしょう。

 

⓯──よりゆたかに、より自分らしく、より自由に、より幸福に──

このような未来をどのように生き延びていけばいいのか。

今後のトレンドは大きく2つに分かれていくでしょう。

ひとつは、高度化する知識社会に最適化した人的資本を形成する戦略。

もうひとつは、フェイスブックやツイッター、インスタグラムなどで多くのフォロワーを集め、その「評判資本」をマネタイズしていく戦略

「知識経済」と「評判経済」は一体となって進化し、地球を覆う巨大な経済圏を形成しつつあるのです。

 

【実践】3個の行動ポイント

✔️人的資本(プログラミングスキル)を作る!

✔️SNSでフォロワーを多く集める!

✔️その「評判資本」をマネタイズして稼ぐ!

 

 

ひと言まとめ

上級への道には、教育が不可欠!

 

 

書籍情報

【書籍名】上級国民/下級国民

【著者名】橘 玲

【出版社】小学館新書

【出版日】2019/8/6

【オススメ度】★★☆☆☆

【頁 数】193ページ

【目 次】

まえがき

 

PART1「下級国民」の誕生

平成で起きたこと

日本のサラリーマンは世界でいちばん会社を憎んでいる

正社員の割合は変わらなかった?

女性の非正規が増えた理由

「雇用破壊」はどこで起きたのか?

各戸訪問でひきこもりを調査した町

ひきこもりは100万人ではなく500万人?

急落したGDP成長率

生産性の高い工場も閉鎖されている?

報酬の高い産業から低い産業への移動

ITへの投資が少ないのではなく、投資の効果がない

経済低迷の理由は「日本市場に魅力がない」から

令和で起きること

団塊の世代と団塊ジュニアに起きたこと

中高年ホワイトカラーの失業はわずか5万人

パラサイト・シングルの〝発見〟

不都合なことはすべて若者の責任

正社員と非正規の「差別」のない国

世界一高い最低賃金をさらに引き上げるフランス

「北」と「南」に分断されたイタリア

守られた〝おっさん〟の既得権

「働き方改革」が進みはじめた理由

令和の最初の20年で起きること

現役世代1・5人で高齢者1人を支える社会

確実に来る未来

 

PART2「モテ」と「非モテ」の分断

日本のアンダークラス

現代日本社会の8つのグループ

上流/下流は「学歴格差」

若い大卒男性の幸福度は低い

壮年大卒男性は日本社会の中核

「ほとんどポジティブなもののない」ひとたち

大阪フリーター調査

若者が「遊びの世界」に入る理由

専業主婦願望と早婚傾向

未婚のまま出産し母子家庭に

教育の本質は「格差拡大装置」

「モテ」と「非モテ」の進化論

女は男より幸福度が高い

男は女より「不安定性」が大きい

男と女では「モテ」の仕組みがちがう

若い女性の「エロス資本」

「恋バナ」はなんのためか?

女性にとっての「最大の脅威」

「持てる」ことと「モテる」こと

女性は「階層」を気にしない?

なぜ女子学生の方が留学するのか?

現代社会は「事実上の一夫多妻」

「モテ」と「非モテ」の分裂

メンズリブとミソジニー

年収の低い男は結婚できない

「結婚がつらい」男たち

「非モテ」のテロリズム

「大きく黒い犬」という問題

神と英雄

PART3 世界を揺るがす「上級/下級」の分断

リベラル化する世界

「人口爆発」と「ゆたかさの爆発」

私の人生は私が自由に選択する

ヨーロッパにおけるイスラーム問題の本質

リベラルな社会の能力主義

リベラルの理想は究極の自己責任

「政治的に正しい態度(PC)」が必要な理由

「リスク」を自分で引き受ける

自己分析と自己コントロール

ポイ捨てされる人間

「リバタニア」と「ドメスティックス」

知識社会化・リベラル化・グローバル化

ヒッピーカルチャーの勝利

「絶望死」する白人たち

「とてつもないこと」が起きる世界

「中流崩壊」を予言した経済学者

クリエイティブクラスの台頭

勝利と同時に敗北

「新上流階級」が集まる都市

「新下流階級」がふきだまる町

先進国では同じことが起きている

アメリカ社会の分裂

「黒人保守派」とは何者か?

裕福なサイバーリバタリアン

ヤンキーとエリート

「ヤフコメ民」はなにに怒っているのか?

エニウェア族とサムウェア族

リバタニアとドメスティックス

 

エピローグ

知識社会の終わり

ポピュリズムは「知識社会への抵抗運動」

サイバーリバタリアン

「右派」と「左派」

ベーシックインカムはなぜ破綻するのか?

お金は分配できても性愛は分配できない

「技術」と「魔術」が区別できない世界

あとがき

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