【人生は料理!】
経済評論家・勝間 和代が、『勝間式生き方の知見 お金と幸せを同時に手に入れる55の方法』と題して、
勝間式生き方を解説する1冊。
書籍の紹介文
50代からのライフプランを設計する?
今より幸せになるにはどうすれば良いか?
あなたはどう思いますか?
五十代になって実感するのは、年を取れば取るほど幸せになれる!
人生は料理みたいなもの。
年々増える知見が失敗しないコツになって、若いときには見えなかった真実を見通せるようになった。
と筆者は説きます。
本書は、筆者がトライアンドエラーで得たノウハウを52年間の集大成として解説する一冊。
人生を変えるきっかけができます。
幸福度をアップするノウハウが分かります。
【要約】15個の抜粋ポイント
❶ときに、若い人たちの動向の中には、理解に苦しむものもありますが、それをバカにするのではなく、自分と若い人たちは何が一致していて、何が一致していないのか、ということを考えてください。その差分こそ、時代の変化の流れです。
「中高年層や高齢層は、一部の人を除いて新しいものに対する反応が鈍感」と前述しましたが、その一部の人となる例外は、情報リテラシーが高い富裕層です。
彼らが何を選んでいるか、ということにも意外と時代の流れのヒントが隠れています。
変化の波の観察と一緒に、頭に入れておいてほしいのが「複雑系」という概念です。
複雑系とは、相互に作用する様々な要因や部分が合わさって、全体としてなんらかの変化を見せることを意味します。
❷ もっともシンプルなリスクテイクの取り方は、「そのリスクを取ったら最悪何が起きるか」を考え、その最悪のシナリオが自分の許容範囲であればリスクを取ってしまう、という考え方です。
❸まずは自分が知って「得をした」と感じたことや、「ほかの人にも役立ちそう」と思ったことを投稿してみましょう。私は、SNSへの投稿は、良くも悪くも反応がないのが当たり前、というのをデフォルトにしています。
❹いいときは何もしなくてもいい状況が続くので、人は頭を使いません。頭を使うのは悪いときで、条件的に制約がかかるからこそ、これだったらできる、という解を考えるのです。そして最適解を絞り込み、実行に移すものを決断して、試行錯誤しながらなんとか成果につなげます。私はこのフローを幾度となく繰り返して、習慣にしました。
❺私が考えるインディペンデントで丈夫な心とは、この四つの心がけで成り立ちます。
1自分の思っていることが現実になる
2周りと調和する
3ゼロ百思考をしない
4頑張っていることに酔いしれない
この四つを心がけていると、考え方や物事の取り組み方が前向きになります。周りの人に与える影響がよりよくなるため、返ってくる対応もよりよくなります。
❻知りたいことや気になることを調べるときは、本を読むか聞くかしています。本はエビデンスに基づいているものが多く、マスメディアやネットより信憑性が高いと思うので、一日二、三冊読むか聞くのを目標にしています。ネットで情報収集するときは、Twitterでキーワード検索をして、過去十年分ぐらいのツイートからチェックします。もちろん、SNSの情報も百%信用できないので、一つの情報だけを鵜吞みにすることはありません。
ただ、バイアスがかかっていない赤裸々な情報をたくさん入手できるのがメリットで、一つの事柄について「実はこうらしい」という話を複数ルートからたどると、真実の所在をだいたいつかめます。
❼今までに払ったお金や苦労は、経済用語で埋没原価もしくはサンクコストと言い、「すでに投資や支払いを済ませて回収ができないコスト」を意味します。回収できないのに、「せっかく〇〇したから」「〇〇がもったいない」という思いが強すぎると、これからする新たな意思決定の材料に加わってしまい、誤った判断をしやすくなる、というのが定説です。今までに払ったお金や苦労は過去のものとして切り離し、新たな意思決定に影響を及ぼさないようにしないと、どんどん損をしてしまうのです。
常に変化に対応することを習慣として、自分の人生の中のもうすでに古びてしまったものについては素早く縮小して、新たにしたいことにどんどん投資するという「自分内競争」を積極的に行っていかないと、埋没原価がかさむいっぽうになります。自分内競争で負けたものについては固執することなく、どんどん断捨離をして新陳代謝の対象にしていきましょう。そうやって自分内競争を行いながら新陳代謝を行うことが、私はチャレンジ精神を失わないということだと考えます。
❽アサーティブコミュニケーションは自分も相手も尊重することが基本で、そのためには相手の話を傾聴する姿勢も必須です。さらに、ただ相手の話を聞けばいい、ということではなく、相手の話を相手の立場になって理解することが本当の傾聴です。
❾私の信条でもあり、これさえできればだいたいのことは幸せになれる、と思っているのが時間割引率をマスターすることです。時間割引率は経済学や行動経済学で用いられる概念で、将来のよりよいことのために今の欲望をいかに我慢するか、という指標のことです。目の前の選択を将来の投資として考えて、その投資が将来花開いて大きなリターンになることをいつも期待して行動するイメージです。私は、近年のさまざまな社会的な実験で、意志の力は有限でアテにならないことがわかったのは、大きな発見だと思っています。時間割引率を低くするにも、自分の意志をまったく信用しないか、意志の力を使うにしても最小限にすることが重要です。時間割引率を下げるには、環境を整えることがポイントです。
加えて、次の三つのことを念頭に置いておくのがお勧めです。
1時間割引率がもっとも高いとき=欲望や本能にもっとも負けやすいのは、今この瞬間
2一度時間割引率を下げて報酬を得ると、その報酬がまた欲しくて自動的に下げ続ける
3できるだけ余裕を持つ
❿オープンマインドという言葉がありますが、あらゆることに対してオープンマインドになることがカギで、新しいことを知ったらとりあえずは試してみることにするわけです。そして、自分の「当たり前」がなんらかの形で破られて、メンタルブロックが外れることを期待する、と。そんなマインドを持つことをお勧めします。
⓫「起きていることはすべて正しい」というのは、私の座右の銘です。
これは何を言わんとしているかというと、現状起きていることを否定したり、こうだったらいいのになぁ、と夢想したりしても仕方がないから、起きていることをありのままに受け止めて、そこから何を学び、どのように行動すれば、今を最大限に活用できるかを考える、ということです。
⓬私は三十代後半から、頑張らないを基本にして生活するようにしています。正確に言うと、頑張らなくても仕事の成果が上がる、もしくは、頑張らなくても快適な暮らしを目指しています。そこで数年前から、一日の労働時間は、三時間を目標にしています。なぜ三時間にしているかというと、三時間以上働くと頑張って作業することになり、疲れるだけで大して成果が上がらないからです。ただ時間ばかり取られて、家事が疎かになったり、自分がやりたいことができなかったりするのも嫌なのです。
個人的には、頑張ると息抜きや気晴らしが必要になると思っています。息抜きや気晴らしで手っ取り早いものと言ったらタバコ、コーヒー、甘いお菓子、お酒です。すべて依存性があるもので、健康を害するものばかりです。それらを必要としない程度に、すなわち頑張らないで済む生活設計をすると、健康寿命が延びるというメリットがついてきます。
⓭長時間労働から短時間労働にシフトする最大のカギは、自分の労働体系を成果報酬型に切り替えることです。こういう話をするとよく、成果報酬型は実力がある人にしかできないでしょう、ということを言われますが、その場合、能力の生かし方についての考え方を少し見直す必要があると思います。多くの人は、与えられた分野でどうやって活躍しようか、という考え方をします。しかし、より多くの報酬を得るには、自分がどの分野なら活躍できるか、ということを見極める必要があります。自分にとって不得意なことや、向いていない分野で成功することはかなり難しく、どんなに努力をしても無駄になる可能性が高いからです。強みを生かした生き方をするには、自分の強みを見つけて弱みを諦め、場合によっては二つ以上の強みを組み合わせたりして、それを生かせる市場を探す、という手順になります。
⓮一つ呪文のように覚えてほしいのは「やるかやらないか迷ったら、やる」です。私たちは日々の生活の中で、やるかやらないか、迷うことがしばしばあります。そして迷うとつい、色々な言い訳をつけ先延ばしにしがちです。なぜなら先延ばしにしたほうが、思考や体力の節約になるからです。ごくたまに先延ばしにしてうまくいくことがありますが、それで先延ばしにしても何とかなるんだ、と思うのは間違った学習です。迷ったらやる、と心に刻んでください。
⓯では、どうやったら、私たちはイノベーションに関わることができるのでしょうか?自分にその才能があったり、たまたま身の回りにそういう人がいたりして、自然と恩恵にあずかれる人もいると思いますが、ほとんどの人はそうではありません。自ら、その環境を作っていかなければなりません。その具体的な方法で一番簡単なのは、投資信託のドル・コスト平均法で株式インデックスを買うことです。なぜなら、世界の誰かがイノベーションを起こして企業価値を上げたり、世界を変えたりしたとき、配分という形でおこぼれを手にできるからです。世界のどこかでは、常に誰かがイノベーションを起こしてくれています。それを踏まえた、最低限の恩恵のあずかり方と言えるでしょう。
⓰人生で優先順位を上げて対策を立てるべきは健康です。健康はすべてのベースで、最大の投資対象なのです。ずっと変わらず続けていることが二つあります。それが、睡眠時間を七~八時間取ることと、こまめに動いて一日一万歩以上歩くことです。
なぜ、人は年を取ると頑固になるかというと、体力がなくなっていくからです。特に高齢になると認知能力が低下して思考力が低下するため、ものの見方がどんどん近視眼的になるという悪循環が起きます。そうなってから元の状態に戻そうとしても、すでに認知能力が衰えているので、体力づくりのために割けるリソースが尽きてしまっている可能性が高いのです。
⓱外食するときは、しゃぶしゃぶやステーキ、お刺し身など、素材そのものを食べる料理を選ぶようにしています。そうすると調理過程で多用される、砂糖や油脂を取らずに済みます。もっとも、週一ペースなら、甘いものでも脂っこいものでも、好きなものを食べても問題ないと思います。私はカフェなどで仕事をするとき、たまにドーナツやケーキを食べますが、週一以上にならないようにしているので、体型的にも体調的にも変化はありません。
⓲その考え方の基本になるのが最適主義で、「大まかな優先順位付けで全体を把握して、余裕を持つ」ということになります。何でも完璧を目指して、エラーをなくそうとすると、自分にも他人にも厳しくなって、おおらかさとは程遠くなってしまいます。
⓳シンプルに、「本当に自分を幸せにするために必要なものは何か」ということに向き合えれば、実は、世の中のほとんどのことはどうでもいいことになるでしょう。細かいことにいちいちこだわることも、腹を立てることもなくなり、自分の幸せとは関係ないものとみなしてスルーできるようになります。その状態はまさに、おおらかな状態です。
⓴ぜひ一度、自分には保有効果や現状維持バイアスという心理現象が働くことを念頭に置いて、今自分が持っているものや周囲にいる人、置かれている状況は本当に価値があるのかどうかを見つめ直してみてください。そうして不要なモノ、ヒト、コトと決別して執着を捨てると、残ったものに対するありがたみが自然と増します。
それを確実かつ簡単に実践する方法は、毎日ありがたいと思ったことを書く「感謝日記」をつけることです。
【実践】3個の行動ポイント
✅時間割引率をマスターする!
✅一日の労働時間を、三時間を目標にする!
✅「感謝日記」をつける!
ひと言まとめ
仕事より健康!
書籍情報
【書籍名】勝間式生き方の知見 お金と幸せを同時に手に入れる55の方法
【著者名】勝間 和代
【出版社】KADOKAWA
【出版日】 2021/9/15
【オススメ度】★★★☆☆
【頁 数】336ページ
【目 次】
はじめに
【第1章】新しい可能性に投資しよう──自己革新の知見
1時代の波に乗るカギは若年層と「複雑系」
2正しいリスクテイクで時間リッチ&キャッシュリッチになる
3SNSを人脈とチャンスを広げるための「乗り物」にする
4「等身大の言葉」がつながりと自信を生む
5不運を幸運に、幸運を実力に変える
6情報はメディアのニュースに頼らず能動的に収集する
7埋没原価に囚われないでアップデートを繰り返す
【第2章】自分も相手も気持ちよく──コミュニケーションの知見
8アサーティブコミュニケーションでウィンウィンになる
9「どんな人とも仲良くしなくちゃいけない」は噓
10家族もパートナーシップもジェンダーも多様化する
11他者への貢献が運とチャンスを引き寄せる
12人それぞれに「事実」は違い、認知のズレがある
【第3章】メンタルブロックを外そう──コントロール思考の知見
13人生最大の利益を生む「時間割引率」のコントロール
14問題解決は泥臭く、ジタバタするのが正解
15タイムマネジメント能力を磨いて自己効力感を上げる
16感情はコントロールでなく、マネジメントする
17ネガティブ思考を否定しない
18メンタルブロックを外して自分の可能性を広げる
19「起きていることはすべて正しい」と考える
20心の回復力をつけるより先に、環境の力を味方につける
21「妬む」「怒る」「愚痴る」の三毒を追放する
22「成功するわがまま」でやりたいことを実現させる
【第4章】短時間労働で成果は出せる──仕事の知見
23「会社一神教」「労働一神教」から脱退する
24頑張りすぎは思考停止。〝やる気幻想〟を捨てる
25「長時間労働を頑張る怠け者」からの脱却
26強みを生かした生き方をする
27仕事選びは将来性があるほうにBETし続ける
28「才能×社会貢献=十分な収入」という方程式の最適解
29ゲーミフィケーションで楽しく目標達成する
30世の中は序列付けで動いている
31行動力をつけて「時間価値」が高い人になる
32謙遜のしすぎは潜在能力をダメにする
33何事もやり切らなくてもいい
34いい偶然を引き寄せるために行動範囲を広げる
【第5章】収入に上限はない──お金の知見
35稼げるかどうかは自分の能力一割、環境因子九割
36裁量権を広げて、仕事のやりがいを増やす
37必要以上に無駄遣いを恐れない
38人生プランを人生百年時代用に最適化する3
39労働収入だけではなく、金融収入も得られる環境をつくる
40「収入の七~八割」で暮らす
41コストパフォーマンスを徹底的にチェックする習慣を持つ
42プロアクティブに生きて収入を上げる
【第6章】体力はお金より仕事より大事──人生百年時代の知見
43人生最大の投資は健康
44体力づくりは人生の重要課題
45「加齢で記憶力が落ちる」は間違い
46現代人の食事の問題は、カロリー過多・栄養不足
47お酒は「毒と書かれていない毒」
48砂糖は依存性が高いマイルドドラッグ
【第7章】完璧を目指さない──幸福度アップの知見
49最適主義になろう。完璧を捨てて、おおらかに
50働きすぎは、不幸な老後が待っている
51家事のAI化は幸せにつながる投資
52「地位財」と「非地位財」は分けて考える
53スラック(余裕)を増やそう
54虫の知らせを聞き逃さない
55執着を手放して、今あるものに感謝する