【書評・要約】食品の裏側―みんな大好きな食品添加物

【加工食品=食品添加物】

元食品添加物の専門商社マン・安部司が、『食品の裏側―みんな大好きな食品添加物

』と題して、

食品添加物の今を解説する1冊。

書籍の紹介文

あなたは食品添加物好きですか?

食品添加物の危険性はしている、好きではない、と思っているかもしれません。

しかし国民の75%が安全性に無関心。

それは逆の見方をすれば、4人に3人の消費者が農薬や添加物を支持しているということ!

と筆者は説きます。

本書は、食品添加物の内情について解説する一冊。

どんな商品にどんな食品添加物が入っているのか?が分かります。

食品添加物と上手に付き合うことができます。

【要約】15個の抜粋ポイント

❶私はいまの日本の食品添加物の現状を、誰よりも知っている人間です。添加物の毒性や使い方を研究している学者はたくさんいます。個々の毒性や危険性について詳しい人は私以外にもいる。だけど、現場に立ったことのある人はまずいない。なぜ、その添加物を入れなければいけないのか、その添加物を抜くためには何を代わりにしなければならないのか──そこまで指摘できる人間はほかにはいません。私は「白い粉」をドサドサ投げこんでつくる加工の現場を、この目で見てきた「生き証人」なのです。

❷添加物がどの食品にどれくらい使われているか、その実態を消費者は知りようがない。つまり、十分な「情報公開」がなされていない。それこそが問題だと思うのです。「ラベルに表示されているではないか」そう言う人がいるかもしれませんが、次章以降を読んでいただければおわかりのように、ラベルだけでは読み取れない、見えない「裏側」がたくさんあるのです。だからこそ、食品添加物をはじめとする「食についての情報公開」が必要なのです。情報さえオープンにされていれば、何を選ぶかは消費者の自由です。しかし、現状ではそれができない。

❸「明太子」「漬物」「練り物、ハム・ソーセージ」、これらの食品には、多くの添加物が使われていることは間違いのない事実です。また、これらは添加物の効果が如実にあらわれる食品でもあります。とくに「化学調味料」の量ときたら、明太子以上のものはないと言われるほどです。

❹昔ながらの本物しょうゆを「丸大豆しょうゆ」と呼ぶのに対し、こうした「しょうゆ風調味料」は「新式醸造しょうゆ」などと称して売られています。「丸大豆しょうゆ」と「新式醸造しょうゆ」の違いは、ラベルを見ればすぐにわかります。「丸大豆しょうゆ」の原料は「大豆、小麦、食塩」のみで、添加物は一切ありません。それにひきかえ、「新式醸造しょうゆ」のほうは添加物がいっぱい並んでいます。

❺最近「純米酒」が、「おいしいお酒」だとか「よいお酒」であるかのように言われるようになりました。しかしよく考えれば、「米だけでつくる純米酒」が謳い文句になるということは、「それ以外のものを使ってつくる日本酒」が存在するからにほかなりません。ここにもしょうゆやみりんと同じく、「本物」と「本物風」が存在するのです。

「本醸造酒」はアルコールを添加できる量が決められていますが、一般清酒には決められていません。逆にいえば、普通酒はいろんなものを添加することで、いかようにも味が調節できるのです。米とこうじだけでつくる純米酒だと、こういったごまかしはききません。

普通酒が純米酒と比べて安いのは当然ですが、さらに安いのが合成酒。合成酒は、醸造用アルコールにいろんなものを添加して、それらしい味を出したというだけのものです。酒屋やスーパーで並んでいる一番安いお酒がこれです。これとは別に「吟醸」「大吟醸」というお酒の区分がありますが、これは使う米の精米法の違いでしかありません。要は、米をどれだけ削るかという問題です。

 

❻塩は、大きく次の4つの種類に分かれます。

1精製塩海水から電気と膜を使って塩化ナトリウムだけを取り出したもの。塩化ナトリウムの純度が高く、それ以外の成分はほとんど除去されています。いままで一般的に使われていた食塩がこれに当たります。

2輸入塩いわゆる岩塩や天日塩です。一部、海塩もあります。メキシコやオーストラリア、中国製が多いようです。

3再生加工塩メキシコやオーストラリアなどから輸入された岩塩や天日塩などを、一度海水で溶かし、塩化マグネシウムなどを加えて再生加工したもの。

4自然海塩海から直接くみ上げ、水分を蒸発させた塩。日本古来の塩のつくり方で、成分をまったく調整しない伝統的な塩です。「自然海塩」と書かれています。

この4つのうち、もっともミネラルの豊富なのが「4自然海塩」です。ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、銅、亜鉛など、海の複雑なミネラルがそのまま凝縮されています。「微量元素」と呼ばれる海のミネラルを豊富に含んでいるのです。

❼「コンビニ弁当やカップラーメンなんて、体に悪そうだから食べない」「食事は、健康を考えて、なるべく和食にするようにしています」そんなことを言う人がよくいます。しかし、いまのN君、F子さんの例からもわかるように、加工食品に頼っている限り、添加物に関していえば、結局は(言葉は悪いですが)「同じ穴のむじな」なのです。コンビニ弁当やカップラーメンだけを避ければ大丈夫、というほど話は単純ではないのです。

❽もうおわかりかと思いますが、うまみのベースはみな同じなのです。「塩」「化学調味料」「たんぱく加水分解物」この3つがうまみのベースです。あとは風味付けのエキスや香料を加えるだけで、変幻自在にどのような味もつくり出せるのです。「塩」「化学調味料」「たんぱく加水分解物」は、加工食品における「黄金トリオ」とも呼ぶべき存在です。ラーメン、だしの素、スナック菓子だけでなく、ありとあらゆる加工食品にこの「3点セット」が添加されています。その威力も絶大です。たとえば2%の塩水など辛くて飲めたものではないのですが、これに「化学調味料」と「たんぱく加水分解物」を入れるとおいしく飲めてしまうのです。このうまみのベースとなる「黄金トリオ」のうち、「塩」は説明するまでもありませんが、そのほかの2つ(すなわち「化学調味料」と「たんぱく加水分解物」)が、実に大きな問題を抱えているのです。

❾「うちでは化学調味料は一切使いません」そう言いながらも、味噌汁をつくる際にだしの素を使っている人は多いのではないでしょうか。あのだしの素も、「化学調味料」入りです。「うちにあるのは、『天然だし』って書いてありますよ」そう反論する人もいますが、それは一部が天然というだけであって、半分は「化学調味料」です。それが証拠に「裏」を見れば、しっかり「調味料(アミノ酸等)」と書いてあるはずです。

「ブドウ糖果糖液糖」にも怖い問題点があります。それは、血糖値を急激に上げてしまうことです。砂糖も血糖値を上げると言われますが、砂糖のほうは体内でブドウ糖と果糖の2つに分かれて吸収されていきます。しかし「ブドウ糖果糖液糖」は、最初からブドウ糖と果糖に分かれているため、あっという間に吸収されて血糖値がハネ上がってしまう。要は点滴と同じなのです。

⓫食品添加物にはメリットもあるのです。本書を通じて述べてきた「安さ」「手軽さ」「便利さ」といったメリットから、いま紹介した豆腐や紅白まんじゅうを私たちが食べられるのも、それは添加物のおかげです。そのメリットや自分たちが受けている「恩恵」については知らん振りをしておいて、「あれが悪い」「これが危険」「食べてはいけない」「買ってはいけない」そう脅しても、なんの意味もないのです。添加物を単純に目の敵にし、拒否するのではなく、どう付き合うか、どう向かい合うか。どこまで自分は許せるか。それこそが大切なのです。

⓬「台所にないもの=食品添加物」という図式のもと、「裏」を見て、なるべく「台所にないもの」が入っていない食品を選ぶだけで、随分、添加物の少ない食品を選ぶことができるのです。

⓭では、食品添加物と上手に付き合うために、いま私たちができること、するべきことを挙げていきましょう。

(1)「裏」の表示をよく見て買う──まずは手首の練習から

のもあります。「裏」を見て買うのと見ないで買うのとでは大違いです。「裏」の表示を見比べて、できるだけ「台所にないもの」が少ないほうを選ぶ。こうすれば添加物ひとつひとつの毒性の知識などなくても、おのずと安全性の高い食品を選ぶことができるのです。

(2)加工度の低いものを選ぶ──手間をとるか、添加物をとるか

加工度が高くなればなるほど、添加物は多くなります。「光」が強ければ強いほど、「影」も深いのだということを、くれぐれも忘れないでください。

(3)「知って」食べる──1週間というスパンで考える

何を食べたかを「知る」ことによって、そういう「反省」の気持ちが生まれるはずです。「反省」の気持ちにも3つあります。ひとつは「手抜きをしてごめんね」という気持ち、もうひとつは「添加物を食べさせてしまってごめんね」という気持ち、そして「食べ物の尊さに触れさせなくてごめんね」という気持ち──その3つです。そんな3つの「ごめんなさい」の気持ちがあれば、次は「手づくりのものを食べさせよう」という気持ちになるのではないでしょうか。

(4)安いものだけに飛びつかない──安いものには理由がある

買い物をするときに値段だけを見て、安いもの、特売のものだけを買っていませんか?「価格破壊」の「裏側」には、私のような添加物屋や加工食品業者の暗躍があったのです。要は材料の質を落とし、その分添加物を駆使して、「それなりのもの」をつくり上げるのです。しかし、そんな「それなりのもの」でも、消費者は値段だけを見て、「これは安い、ラッキー」と買っていってくれるのです。

(5)「素朴な疑問」を持つこと──添加物と付き合う最初の第一歩

「素朴な疑問」を持ったら、加工食品の場合は、ぜひひっくり返して「裏」のラベルを見てください。その答えはおのずと出るはずです。

⓮たしかに無添加・無農薬有機の食品に換えれば、食費は高くなるでしょう。しかし、そう言う前に、いま一度、台所を見渡してほしいのです。いま台所にある食材は、本当に全部必要でしょうか。ドレッシングは冷蔵庫に何本ありますか。しょうが焼きのタレ、すき焼きのタレ、○○の素など「合わせ調味料」がゴロゴロしていませんか。それらは本当にすべて必要でしょうか。ドレッシングもポン酢も焼肉のタレも、全部手づくりできます。それほど難しい作業ではありませんし、そもそも手づくりしたほうが圧倒的に安い。

添加物もゼロで済みます。それになんといってもおいしい。本物のしょうゆと本物の酢、手づくりのだしとゆずの果汁でつくったポン酢は、それはそれはおいしいものです。そうやって少し見方を変えれば、本物の食材を使った豊かな食生活を実現するのは決して難しくないはずです。

⓯ゼリーで増量したハム、大豆たんぱくで増量したハンバーグも、安いからと喜ばれる。○○の素、○○のタレも、簡単・便利だからとどんどん売れる。どのようにつくられているか、何が入っているか、「裏」なんて誰も見ていない。なんてことはない、消費者も食品添加物が大好きなのです。

【実践】3個の行動ポイント

   ✅食品パッケージの裏を見る!

   ✅調味料を減らす!

   ✅安いだけで商品を選ばない!

買う前に裏を見よう!

書籍情報

【書籍名】食品の裏側―みんな大好きな食品添加物

【著者名】 安部司

【出版社】東洋経済新報社

【出版日】 2005/10/1

【オススメ度】★★★☆☆

【頁 数】 244ページ

【目 次】

   はじめに

   ■「白い粉」だけでとんこつスープができる

   ■どう食品がつくられているか誰も知らない

   ■食品添加物の危険性だけを騒いでも意味がない

   ■食品の「裏側」を告発するはじめての本

   序章「食品添加物の神様」と言われるまで

   ■かあちゃん!俺は日本一の添加物屋になってみせるぜ!

   ■4時起きでかまぼこづくりを学んで

   ■食品添加物は、誰もが喜ぶ魔法の粉

   ■職人の魂を売らせる「悪魔のささやき」

   ■「つらい仕事は息子さんが継ぎませんよ」

   ■食品添加物で新しい食文化をつくるのだ!

   ■「食品添加物の神様」と呼ばれて

   ■危険性など頭になかった

   ■私の人生を変えたミートボール事件

   ■ドロドロのクズ肉が30種類の添加物でミートボールに甦る

   ■「添加物のかたまり」でビルが建った

   ■自分も家族も消費者だった……

   ■「俺のところのハムは食べるなよ」──自分の工場でつくったものを食べない人たち

   ■会社をすっぱり辞めた

   ■食品添加物の講演依頼が殺到

   ■消費者は被害者か第1章食品添加物が大量に使われている加工食品

   ■「明太子」「漬物」「練り物、ハム・ソーセージ」

   ■低級タラコが、あっという間にピカピカの高級品に変身

   ■10種類以上の「白い粉」で明太子はつくられている

   ■10種類もの添加物を一度に食べるとどうなるか

   ■「無着色明太子」は安全志向か

   ■「プリンハム」の怪──100キロの豚肉から130キロのハムができる!?

   ■あなたがカゴに入れたのは「プリンハム」ではありませんか?

   ■「素朴な疑問」を持つことがすべての始まり

   ■「低塩梅干」は「高塩梅干」より体に悪い!

   ■梅干の形をした添加物

   ■「低塩」の代償は誰に?

   ■「おばあちゃんの手づくり漬物」に怒り

   第2章 食卓の調味料が「ニセモノ」にすりかわっている!?

   ■特売しょうゆはなぜ安い?

   ■「しょうゆ風調味料」のつくり方

   ■「1リットル1000円」と「1リットル198円」の違いは?

   ■みりんにも「純米みりん」と「みりん風調味料」がある

   ■「米だけでつくった純米酒」vs「米以外も使っている酒」

   ■「米以外も使っているお酒」のつくり方

   ■1本の純米酒から10本の酒ができる

   ■値段だけを見て買わないで

   ■塩にだまされるな

   ■塩のうまみは海のミネラル

   ■塩の情報公開を求める

   ■酢や砂糖も「ニセモノ」がはびこっている

   ■日本の食文化が崩壊していく!

   ■子どもたちは「まがいもの」の味を「本物」と思い込んでいる

   第3章 私たちに見えない、知りようのない食品添加物がこんなにある

   ■コーヒーフレッシュの正体は!?

   ■水と油と「白い粉」でコーヒーフレッシュができる

   ■「一括表示」の「裏側」で何が行われているか

   ■「調味料(アミノ酸等)」の「裏側」に化学調味料あり

   ■なんでもかんでも一括表示。こんな便利な法律はない

   ■「表示免除」の「裏側」にどれだけ添加物がはびこっているか

   ■食品業界も情報公開を第4章今日あなたが口にした食品添加物

   ■知らないうちに大量の添加物を食べている現実

   ■コンビニ大好き独身サラリーマンN君の1日

   ■N君は1日にどれぐらいの添加物を摂取したか?

   ■「普通」の主婦F子さんの1日

   ■F子さんの摂取添加物はコンビニ生活よりひどい!?

   第5章 食品添加物で子どもたちの舌が壊れていく!

   ■秘伝のラーメンスープも「白い粉」の調合ひとつ

   ■うまみのベースはみんな同じ──粉末スープ=スナック菓子=だしの素!?

   ■化学調味料──使用量はうなぎのぼり!

   ■「天然だし」も化学調味料入り

   ■たんぱく加水分解物──大豆を塩酸で分解!?

   ■たんぱく加水分解物はうまみ界のスター

   ■たんぱく加水分解物は「安全」か?

   ■たんぱく加水分解物が子どもの舌を崩壊させる!

   ■たんぱく加水分解物は天然だしか?

   ■子どもにたんぱく加水分解物の味を教えないで!

   ■魔法の色水

   ■子どもが大好きなブドウ糖果糖液糖

   ■急激に血糖値が上がる怖さ

   ■お母さんも子どもも身を乗り出して

   第6章 未来をどう生きるか

   ■「毒性」よりも怖い食品添加物の問題

   ■忘れちゃいけない食品添加物のメリット

   ■食品添加物は「敵」か?

   ■食品添加物の物質名なんかわからなくていい

   ■食品添加物とは、台所にないもの

   ■「台所にないもの」から「裏」を見る

   ■食品添加物と上手に付き合う5つのポイント

   ■台所にある食材は本当に全部必要か

   ■食の乱れは国の乱れ

   ■食べ物が安易に手に入ると思ってしまう子どもたち

   ■食べることは命をいただくこと

   ■食を軽く見た代償

   ■子どもに親が料理をする姿を見せる

   ■子どもには10年かけて教える

   ■手伝いと片づけが「食育」につながる

   ■「舌」は必ず取り戻せる

   ■お父さんも家事をする

   ■「まごころ基準」を持って

   ■心ある消費者は、きっといる

   ■無添加に甘えてはいけない

   ■みんな食品添加物が大好き

   ■4人に3人が食品添加物を支持している

   ■あなたの小さな選択が食と心を変える

   おわりに 加工食品のウソ・ごまかしを見抜く「安部式」添加物分類表

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