【書評・要約】「一人で生きる」が当たり前になる社会

【日本は独身国家だった!】

独身研究家・荒川和久/脳科学者・中野信子が、『「一人で生きる」が当たり前になる社会

』と題して、

を解説する1冊。

 

書籍の紹介文

あなたは孤独ですか?

あなたは結婚したいですか?

 

 

 

2040年には人口の半分が独身になる!

結婚は義務ではなく趣味になる!

と筆者は説きます。

 

本書は、間近に迫ったソロ社会の生き方について解説する一冊。

孤独と向き合うことができます。

ソロ社会における男女別の傾向と対策が分かります。

【要約】15個の抜粋ポイント

❶孤独にも2種類のものがありますね。「選択的孤独」と「排除による孤独」です。

「選択的孤独」は非常に贅沢なもので、自分一人でアフォード(実行)できる経済力も必要。時間的余裕や一人で住む部屋を確保できるか、といった経済的な基盤によった「贅沢としての孤独」です。これは、自ら選んでいるので非常に心地よいものですね。個人の自由にできますから。一方、「排除による孤独」は、自分はここになじめないというもの。なじめないという孤独感は、大きなストレスになります。

でも一番の孤独とは、大勢に囲まれているのに、「なんか私、ものすごく孤独なんだけど」と感じること。それが最悪の孤独なんですよね。そのほうがむしろ一番ヤバい。

オキシトシンは認知に働けば、絆を形成するホルモンですから、孤独がつらいという人、人とうまく関係性を築けないという人は、このオキシトシンを意識するといいでしょう。オキシトシンは人とふれ合うことで分泌されるんですが、(選択的孤独でない)孤独に悩む人って、単にコミュニケーションをうまく取るスキルがないだけなんだと思うんです。

時間はかかるかもしれないけれど、コミュニケーションスキルは確実に後から身につけられる。

できる人のやり方を学ぶだけです。

寂しいと悶々とするくらいなら、むしろペットを飼ったほうがいいんじゃないかな。

❸40代のソロの男女は、不幸度(感)が最大になることがわかります。むしろ、20代は既婚者とあまり変わらないんです。年齢を重ねるごとに不幸度が上がる。60代になると不幸度は下がります。40代がマックスで、年を取るとだんだん下がる。

「人生でどの世代が最も不幸度が高いか」というと46歳だと。

❹実は、ソロ男・ソロ女の欠落感を埋めているのが「消費」。消費というのは、お金だけじゃなくて時間も対象です。お金だけでなく、時間も使って自らの幸せを手に入れることを、「エモ消費」と定義しています。エモ消費における精神価値とは、ソロが抱える心の欠落感(低い自己肯定感)を埋めるために、代償行為として自己の社会的役割、つまり「俺は何か社会や誰かの役に立っている」という達成感を手に入れようとしているということです。

僕は、時間が大事な要素だと思っているんです。没頭しているときは、時間を忘れますよね。「気がついたらこんな時間だ」というような。それって最高に幸せな気分だと思うんです。それを見つけられる人と見つけられない人の差は大きいなと思います。

❺僕は、「恋愛強者3割の法則」と言っていますが、つまり、恋愛が得意な人は全体の3割しかいない。7割の人は恋愛が苦手なんです。恋愛強者とは能動的に動ける人のことなのではないかと仮説を立てました。要するに、「残り7割の人は受け身」なんですよ。

❻結局、お父さんらしい男性とお母さんらしい女性がカップリングするというのは幻想でしかないんです。父性と母性の両方を持っていないと、実はコミュニケーションができない、ということなんですよね。結婚したくてもできない人は何を磨けばいいかというと、決断力や父性だけを磨くんじゃなくて、男も女もむしろ母性を磨いたほうがいいですよね。

❼今まで国や地域によって個人主義的・集団主義的な国民性や民族性があるといわれてきましたが、地理条件とか環境条件を変えるだけで、実は任意に変えられるんじゃないかという仮説を、私は持っています。自然災害が多ければ集団主義的になって、安全なときは個人主義的になる、と。

❽僕は、「象と象使いと環境の関係性」というモチーフを使って説明しているんです。社会心理学者のジョナサン・ハイトが提唱したもので、象は感情、象使いは理屈を指します。象使いが象を動かしているつもりになっているけれど、象が動いた方向を「よしよし」と思って、後から理屈づけをしている場合がけっこう多い。それなら、なぜ象は動くかというと、ほぼ環境によって動いているんです。

「こっちのほうが歩きやすい道だな」と思うから象はそっちに行く。「こっちに餌がありそうだな」と思うから動く。ということは、人は環境によって感情を起こされているし、感情によって後づけで理屈づけをしていると考えられます。だから、「女は感情で動く」とか、「男は理屈で動く」というのはあまり関係がなくて、実は、誰もが感情で動いていて、後から理屈づけをしてそれを共感だと思い込んでいる。そういうものなんじゃないかな、と。

セールスとかマーケティングの話でいうと、感情をつくるのが大事なのではなくて、感情に後から理屈づけをさせてあげることが重要というところがあります。「なるほどね」とか「納得です」と思わせないと、とことん嫌いになられるとまずいわけで、そこの部分はすごく大事だなと思うんです。

❾。理屈重視か感情重視かは、男女のステレオタイプとは関係がなく結局、個体差でしかないし、さっき言った「象と象使いと環境」の比喩でいえば、感情よりも理屈よりも、置かれた環境が非常に大事だと思います。人間を意識づけで、意志で変えようと思っても絶対続かないので、周りの環境を変えたほうが早い、ということですね。

共感というのは、感情の理屈づけ、つまり「共感=感情+理屈」だと思うんです。感情だけでは共感にならないし、理屈づけされなくてもダメ。何か行動するための理屈づけより、人は「行動しないための理屈づけ」のほうが得意なんです。

自分の中に多様な自分がいることを認めるという話をしましたが、「家・電車・会社」というふうに環境の切り替えをすることは、人が精神を保つのに非常に大事な要素なのではないかと思います。一人でいると自分へのフィードバックが厳しめになる。すると、どんどん自分はダメな人間なんじゃないかと考えるスパイラルにはまっていくのです。これは誰でもそうだと思うんですが、そういう状況下でポジティブな思考にいく人ってほんのわずかで、ちょっと変な人と言われるくらい少ないんです。

一人でいると、自分へのフィードバックがネガティブになり、それでうつになる人が増えるわけなんですよね。

【実践】3個の行動ポイント

   ✅寂しいと思ったらオキシトシンを分泌させる行動をとる!(スキンシップ、映画鑑賞など)

   ✅エモ消費する!

   ✅ステレオタイプから脱却する!

ひと言まとめ

孤独は怖くない!

 

 

 

 

書籍情報

【書籍名】「一人で生きる」が当たり前になる社会

【著者名】荒川和久/中野信子

【出版社】ディスカヴァー・トゥエンティワン

【出版日】2020/12/18

【オススメ度】★★★☆☆

【頁 数】‎ 277ページ

【目 次】

    はじめに

    第1章「ソロ社会」化する日本

    2040年には、独身者が47%に

    日本は高齢者よりも独身者が多い「独身国家」になる

    300万人の日本人男性は、結婚相手が見つからない

    関ヶ原を境に、東日本は男余り

    独身男女の住むエリアの壁─「港区女子」と「足立区男子」は出会えるのか?

    一人でいたい人は4割、他者と一緒にいたい人は6割

    1歳半までの愛着関係が人づき合いを左右する?

    結婚していても孤独死するという現実

    経済活動としての結婚、搾取手段としての「皆婚主義」

    家族市場の衰退、「ソロ活市場」の拡大

    ソロ男の外食費は、一家族分の外食費の2倍近い!

    第2章 孤独とは悪いことなのか?

    孤独はお酒やたばこと同じくらい「健康を害する」?

    癒やしの行為としての「孤食」

    「ひとり飯」はかわいそうなのか?

    孤独には、「選択的孤独」と「排除による孤独」の2つがある

    友だちの数が可視化されて、孤独を増進するSNS

    夫婦仲をSNSでアピールする夫婦は離婚寸前?

    DVされても離れられない─「認知的不協和」の罠

    「コミュ障」でも、コミュニケーションスキルは学習可能

    ペットを飼うと、コミュニケーションスキルがUPする

    1000年後には、愛の形が変わっている!?

    結婚後5年以内に愛が冷める理由

    男性の離婚と自殺には高い相関関係がある

    第3章 ソロの幸せ、既婚者の幸せ

    ソロ女は、徹底的に「愛よりお金」

    「いつかは結婚できるはず」─ソロ男はロマンティスト

    男性化する「ソロ女」

    ソロの男女は、40代で「不幸度マックス」を迎えている

    世界的に見ても、独身のほうが不幸?

    ソロ男は、「有能な自分」しか肯定できない

    結婚で自分を変えようと思うか、誰といても自分は自分と思うか

    「インスタ映え」でわかる自己肯定感の高さ

    容姿がよくても自己肯定感はUPしない

    誰でも自己肯定感がUPする究極のテクニックがある?

    他者のためでなく、自分のために美しく変わる

    「男性は恋愛」「女性は仕事」が自己肯定感の判断基準

    欠落感を埋めて幸せになるための「エモ消費」

    「幸せ」を定義することはなぜ難しいのか

    中島みゆきの『糸』の歌詞に込められた「幸せのかたち」

    第4章 恋愛強者と恋愛弱者の生存戦略

    30年前から変わらない「恋愛強者3割の法則」

    自分と近い組み合わせの「恋愛同類婚」が約半数

    恋愛強者は、男女ともに年収も高い

    自分から能動的に動ける3割の人がモテまくる

    「ナッジ」がなければ動かない、受け身な人々は7割

    結婚は「父性と母性」を持たないと成り立たない

    亭主関白な夫は、母性が豊富!?

    「思いやりの欠如を金で補えるか」

    問題金持ち男性を狙う婚活女子は「情弱」!?

    女性は、男性を選んで育てるのが早道

    結局、女性の容姿と男性の経済力はトレードオフなのか?

    マッチングアプリは恋愛弱者を救えない!

    これからは、趣味としての結婚か、経済活動としての結婚か

    「結婚する人・しない人の共存」が子育てしやすい社会の鍵

    第5章 ソロ化と集団化の境界線

    自分で自分に呪いをかける「ステレオタイプ脅威」の怖さ

    オタク=「犯罪者」?なぜ根拠なきステレオタイプが量産されるのか

    イケメン政治家が選挙に強い理由

    属性vs属性

    個人より共同体の意思が優先される危険性

   「集団への帰属欲求」が個人をないがしろにする

    一番守りたかったものほど崩壊してしまうという矛盾

    実は「同調圧力」が強いアメリカ─人とつながれないと落伍者になる国

    個人より社会が優先される欧米、江戸時代からソロ文化の日本

    ソロ化と集団化の境界は、状況によって変化する

    心の尺度をどう測るかという難題

    認知負荷が高い状態を避けたがる「要はおじさん」

    思考停止につながる「わかりやすさ至上主義」

    第6章 自分とは何か─一人の人間の多様性

    「ステレオタイプ脅威」を払拭するのは至難の業

    目の前にある現金1000万円を総取りするか、分け合うか

    「1000万円総取り」を選ぶのは、理屈で動く人

    ステレオタイプではひとくくりにはできない

    なぜみんな、「スタバでMac」なのか?

    個性を求めると、かえって人と同じになってしまう?

    「自分とは何か」という問いと、一人の人間の中の多様性

    第7章 世の中を動かす「感情主義」のメカニズム

    「感情主義」が政治やビジネスを動かす

    誹謗中傷がもはや「快楽」になっている?

    「不正をした人を罰したい」という感情は、生まれつき備わっている

    「叩くという快楽」にふける「正義中毒者」たち

    他人を叩く快感─「シャーデンフロイデ」

    人は感情で動き、理屈を後づけしている

    「共感でつながるべき」という勘違い

    言葉にできない感情を言語化してくれる人がカリスマになる

    話を聞いてもらって的確に言語化してもらえる快感

    これからは、人に話を聞いてもらうサービスが流行る?

    感情よりも理屈よりも、まず環境を変えよ

    共感とは、感情に理屈づけをすること

    終章「withコロナ時代」の生き方を考える

    コロナ離婚」の増加が意味するもの

    マスクを嫌がる欧米人、サングラスを怖がる日本人

    なぜ、オンラインミーティングはやりにくいのか

    一人でいると、ネガティブ・スパイラルにはまりやすい

    マスク買い占めに見る、人間の本質の変わらなさ

    ネガティブな感情の拡散に冒されない

    あとがき

    著者紹介

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