【書評・要約】世界中の長寿郷に学ぶ 健康寿命120歳説

【人間がありのままの自然体で自然の中で生活をすれば、120歳まで生きられる!】

ジャーナリスト・船瀬俊介が、『世界中の長寿郷に学ぶ 健康寿命120歳説

』と題して、世界の長寿郷が私たちに教えてくれる「長寿の秘訣」

を解説する1冊。

書籍の紹介文

あなたは健康で長生きするには何が必要だと思いますか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

①少食・粗食

②菜食

③長息

④筋トレ

⑤セックス

上記5つが必要だ!と筆者は説きます。

本書は、森下博士の長寿郷調査から導かれた「120歳まで元気に生きる」ルールと、それを裏付ける最新科学の知見について解説する一冊。

長寿郷それぞれのライフスタイルを知ることができます。

健康長寿のための食事が分かります。

【要約】10個の抜粋ポイント

❶博士が踏破し、証明した世界五大長寿郷は以下のとおりです。

(1)旧ソ連「コーカサス」

(2)パキスタン「フンザ」

(3)南米エクアドル「ビルカバンバ」

(4)中国北西部「新疆ウイグル」

(5)中国広西「巴馬」

そして、博士はこの長寿郷調査から、彼らのライフスタイルに共通項があることを発見します。

①少食・粗食(大食漢は皆無)

②菜食(肉食者はいない)

③長息(腹式呼吸でよく笑う)

④筋トレ(よく働き、筋肉を使う)

⑤セックス(愛情深く、子だくさん)

❷森下調査で明らかになった長寿者の食事とは、どんなものだったかをまとめてみましょう。

【グルジアの食事】

・新鮮な野菜と果物が多くとられている。

・「ママルイガ」と呼ばれるトウモロコシのおかゆと、「ムチャージ」と呼ばれるトウモロコシのパンが主食である。

・全粒粉の小麦粉やライ麦粉、ソバ粉などによって作られる、硬くて重い雑穀パンもよく食べられている。

・グルジア特有の発酵乳「マッツォーニ」が愛飲されている。

・毎年秋に収穫されたブドウで作られる赤ワインは素朴にしてコクがある。ふだんから水代わりによく飲まれている。

・数ある果物の中でもプラムが「命の果実」と呼ばれ、ふんだんにとられている。

【ビルカバンバの食事】

・主食は、ユカイモというイモをふかしたものや、カンナの根の粉末をおかゆにしたもの。

・トウモロコシのふかしたものもよく食される。

・オーツ、小麦、大麦など未精白の穀物もよくとられている。

・ジャガイモや大豆、エンドウ、インゲンなどの豆類。

・キャベツ、カボチャなどの野菜類。

・果物は柑橘系のものが豊富。

・良質なタバコがとれることもあり、村の男の大部分はタバコ好き。畑で摘んだタバコの葉をトウモロコシの葉でまいて吸う。

・地酒はトウモロコシが原料で、焼酎並みに強いものと、日本酒に似たマイルドなものの2種類。

❸「どこの長寿郷を訪ねても、長寿の決め手は粗食でした。そして、そのカギとしてあげられるのがナンと塩なのです」森下博士は断言します。ナンとは、インドカレーでおなじみ。トウモロコシや小麦など、穀物の粉を水などで練って焼いたものです。それと、塩の二つが、超長寿の秘訣というのです。「粗碾き」粉で作ったナンこそが、150歳という超長寿を支えた──と森下博士は言う。

石臼は、小麦そのものをひくのですべての栄養素が残されます。さらに食品の成分を高い温度で壊したり、急速に酸化させたりすることがなく、その食品の持つ栄養素を破壊しません。ナンは水でこねるだけでなく、そのとき「塩」を混ぜます。ここで使われる塩は当然、自然塩です。そういう意味でナンの塩がポイントとなるのです。

❹森下博士が導き出した「健康長寿のための食事の条件」

①主食は、未精白穀物とする。玄米、玄麦、アワ、キビ、トウモロコシ、マメ類などを適当に配合した「雑穀飯」が、人体にとって理想的。

②副食の中心は、野菜(葉菜・根菜)、野草、海藻類などの植物性食品そして、これにミネラル食品としての小魚・貝類を加える。メザシ、シラスボシ、ジャコ、小エビなど、頭から丸ごと食べられるものがよい。

③間食は、新鮮な果物、ドライ・フルーツ、木の実など。

④発酵食品として、味噌、しょうゆ、甘酒、納豆、漬物などが必要。

⑤精白食品(白米、白パン、白砂糖)、精製塩(食卓塩)、化学調味料などは、いっさいとってはいけない。自然塩はしっかり摂取する。

⑥動物性タンパク食品、すなわち肉類、牛乳、卵などは、血液生理学的にみて不必要である。極力少なくし、ゼロを理想とする。

⑦加工食品や添加物に注意すること。食品の商品化が進み、人為的な加工の手が加われば加わるほど、生命を健全に養う食物としての価値は減少していく。

なお、右の条件が守られていれば、適度の酒やタバコは無害に近いとも述べられています。酒やタバコによって弊害がもたらされるのは、体質が悪いためであり、白米、白砂糖、肉類などの悪食を不問に付し、酒やタバコに責任を転嫁するのはおカド違いと森下博士は断言しています。

❺そもそも、人類は肉食動物ではありません。それは、次の3つの理由から明らかです。

(1)歯並び:臼歯:門歯:犬歯の比率は、5:2:1です。これにしたがえば、穀物5:野菜・果物2:動物食1……の割合で食べるのが理想的と思えます。ところが「そうではない」と否定するのが米国菜食運動のリーダー、ハワード・ライマン氏です。

「なるほど、われわれ人間には犬歯がある。しかし、それは完全に退化しており、肉を食べるのには、まったく適さない」「人類は、もはや動物食を食べる必然性もない」

(2)唾液のpH:肉食動物の唾液pHは酸性です。それは、肉など動物タンパクを溶かし消化するためです。人間の唾液pHはアルカリ性です。それは穀物を消化するためです。唾液のpHからも、人類は穀菜食動物であることがわかります。

(3)消化器の長さ:草食動物の消化器は肉食動物に比べて圧倒的に長い。ヒトの消化器は体長の約4〜5倍と長い。これは穀物や野菜などを長い時間をかけて消化吸収するためです。逆に肉食獣の消化器が短いのは、肉の栄養分を吸収したら、その毒素を速やかに排泄するためです。つまり、人間の身体は肉を食べるようにはできていないのです。

肉食をすると、それは腸内の「悪玉菌」のエサとなり、「悪玉菌」が急増殖します。つまり、文字どおり、肉は腸内で〝腐る〟のです。すると、スカトール、インドール、アミン類など有毒物質、発ガン物質を生成します。それが腸壁を刺激し、大腸ガンを多発させるのです。また、腸壁に吸収されたこれら発ガン物質は、血液に乗って全身をめぐる。つまり、血液は発ガン物質、有毒物質で汚され、全身ガンの原因にもなるのです。百寿者をめざすなら、今すぐに肉をやめなければなりません。

❻「長寿者の身体的特徴として、ほとんど例外なくひき締まった体つきをしており、動きは俊敏である。必ず重労働で、よく歩く。だから、長寿者を見ていると、『人生の長さとは、その人の大地を踏みしめて歩いた距離である』との感を強くする」つまり、長寿者にメタボは皆無です。そして、筋肉がしっかりついている。俊敏なのは、よく歩き、よく動き、よく働くからです。筋肉強化が心身に好影響をもたらすことは最新科学でも実証済みです。

一生に「食べる量」「呼吸の数」は決まっている……。これはヨガの教えでもあります。ヨガは5000年以上の歴史を誇る心身哲学です。同じように古代中国から、次の言い伝えがあります。「少食長寿」「長息長命」つまり、少なく食べ、ゆっくり呼吸せよ、という教えです。さらに中国では仙人の健康長寿法として、仙道が伝えられています。そして、ヨガの流れをくむ仏教の一派、禅宗も、やはり「少食長寿」「長息長命」を説いているのです。

だから、少なく食べる「少食法」と、息を長く吐く「長息法」は、長寿の二大秘法といってよいでしょう。逆に「大飯食らい」は〝食いおさめ〟が早く来る。「気忙しい」と〝吸いおさめ〟が早く来るというわけです。

❽ヨガの沖正弘導師は、若いころのインド修行で、152歳のヨガ行者に面会しています。152歳の生活態度は、私たちにも、長寿のヒントを与えてくれます。

(1)けっして、無理をしない。

(2)よく動き、よく考える。

(3)少食にすること。

(4)瞑想を実行して、頭を休める。

(5)ほがらかな、くつろいだ気分で毎日を送る。

(6)少しずつ、ちょこちょこ、眠る。

(7)疲れを、あとに残さない。

(8)緊張と弛緩のリズムで生きる。

(9)好奇心を絶やさず、思索する。

(10)ときに体操、気合いで身体を引き締める。

❾ここで、思い出すのがヒポクラテスの教訓です。彼は古代ギリシャ(紀元前460頃〜同357頃)の医師です。その箴言は、現代にまで伝えられ、彼は医聖として、今も高く尊敬されています。その言葉が、長寿郷の超老人たちに、そのままあてはまるのです。

▼病気とは、みずからの治癒力で自然に治すものである。

▼人は生まれながらに、100人の名医(治癒力)を持っている。

▼人は自然から遠ざかるほどに、病気に近づく。

▼食べ物で治せない病気は、医者もこれを治せない。

▼満腹が原因の病気は、空腹によって治る。

▼病気は、食事と、運動により治療できる。そして、最後に、医聖はこう諭すのです。──人間がありのままの自然体で自然の中で生活をすれば、120歳まで生きられる──

「いかなる検査・健診も受けてはいけません」(新潟大学名誉教授、岡田正彦氏)

博士が、いっさいの検査を否定するのは、以下の理由からです。

「検査を受けた人が、受けない人より長生きする、というデータは存在しない」

「検査を受けた人のほうが、早死にしているのです」

自分の健康状態は、自分でチェックできます。野生の動物を見習いましょう。

彼らは、具合が悪くなると、無理をせず、巣穴にこもって、横になり身体を休めます。

そして、回復するまでは、何も食べません。ここが、大切です。

「食うな」「動くな」「寝てろ」──これこそが不調を治す決め手なのです。

【実践】3個の行動ポイント

   ✅少食!

   ✅素食!

   ✅動物性タンパク質を控える!

 

ひと言まとめ

一生に「食べる量」「呼吸の数」は決まっている……。

 

 

 

 

書籍情報

【書籍名】世界中の長寿郷に学ぶ 健康寿命120歳説

【著者名】船瀬俊介

【出版社】三五館

【出版日】 2016/12/21

【オススメ度】★★☆☆☆

【頁 数】208ページ

【目 次】

    プロローグ──希望の100歳超え急増中!

    第1章 世界の長寿郷が教えてくれること──かつて人類は150歳まで生きた!

    長寿学、ヒトはいくつまで生きられる?

    長寿の秘訣は、長寿者に聞け

    仮性長寿国ニッポンの正体

    百寿者は何を食べ、どんな暮らしをしているか?

    長寿郷はパワースポットだった

    第2章 長寿者は何を食べているのか?──「塩」と「石臼」がキーワードだ

    寿命を延ばす、脅威のフンザ食

    長寿郷の食事に共通することとは?

    寿命を縮めた石臼文化の衰退

    長寿に不可欠な「正しい塩」

    第3章 百寿者に「肉好き」はいない──肉を食べると、早死にする

   「年寄りは肉を食え」の大間違い

    動物性タンパクが人体に与える影響

    なぜ医者は肉を食べさせたがるのか?

   「便秘がち」の笑えない真実

    第4章 現代医学を超える「笑い」「感謝」の科学──よく笑い、よく働き、よく感謝する

    百寿者に共通する「穏やかな顔」

   「笑い」が現代医学を超えたとき

    難しい顔をした百寿者などいない

    笑いは最高のクスリだった

    長寿郷に寝たきりがいない理由

    還暦すぎたら、本気で筋トレ!

    心を平静にさせる魔法の言葉

    第5章 死ぬまでセックス、おおらかな愛に生きる──「触れ合い、抱き合う」

    生き方に学ぶ

    性におおらかな百寿者たち

    健康長寿のため〝秘め事〟は避けて通れない

    セックスするほど長生きできる

    愛情と幸福のホルモン

    孤独であってはいけない5つの理由

    第6章 一生で、食べる量と呼吸の数は決まっている──少なく食べて、ゆっくり呼吸せよ

    少なく食べ、ゆっくり呼吸せよ

    152歳が教える長寿の秘訣

    長息の効用と、やり方

   「老ける人」と「若い人」の違いは?

    第7章 私が長寿郷を訪れる理由──対談:森下敬一×船瀬俊介

    エピローグ──楽しみながら〝100歳超え5点セット〟を!

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